老人ホーム探しで親ともめる本当の理由 ― 専門家が見てきた実例
「老人ホームを探してほしい」と子どもが切り出した瞬間、親の表情が一変した――実は、こうした場面を私たちは何度も目の当たりにしてきました。
厚生労働省の調査によると、要介護状態になった高齢者の約7割が「自宅で最期まで暮らしたい」と答えています。一方で、介護する子世代の多くは「このままでは在宅が限界」と感じている。この数字の中に、親子がもめる本当の構造が隠れています。
埼玉県加須市で介護デイサービス・住宅改修・不動産仲介を一体で手がける株式会社ホープシードでは、代表の伊澤雄馬が「少子高齢化と孤独死をなくしたい」という思いを起点に、多くのご家族の相談に関わってきました。今回は、私たちが現場で見てきた「親子がもめる本当の理由」と、それを乗り越えたご家族の実例をお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 親に「施設には行きたくない」と言われて困っている方
- ✅ 老人ホームを勧めたことで親子関係がこじれてしまった方
- ✅ 加須市・久喜市・羽生市など埼玉県北東部で親の介護に直面している50〜60代の方
- ✅ 在宅介護と施設入居のどちらが親にとって良いか迷っている方
- ✅ 介護保険の仕組みや住宅改修の選択肢をまだよく知らない方
「施設=見捨てられた」という感覚が親の中にある
老人ホームを拒否する親御さんに直接お話を聞くと、ほぼ共通して出てくる言葉があります。「あそこに行ったら、もう家には帰れない」「家族に厄介者扱いされている」。
子ども側からすれば、「安全な場所に移ってほしい」という純粋な心配心なのに、親にとっては「家から追い出される」という喪失感として届いてしまう。ここが最初のすれ違いです。
加須市の高齢化率は31.5%と全国平均(約29%)を上回り、3.3人に1人が65歳以上という現実があります。持ち家比率が高く、戸建て住宅で何十年も暮らしてきた方が多いこのまちでは、「自分の家=自分の人生そのもの」という感覚が特に強い。
「施設を勧める」という行為が、その人生ごと否定されるように感じさせてしまう場合がある――これを理解しないまま話を進めると、どんなに良い施設を選んでも親子の溝は深まる一方です。
施設長の渡邊隆浩も、「ご利用者様が最初にここへ来たときの表情と、数週間後の表情は全然違います。大切なのは、最初の一歩をどう踏み出させてあげるか」と言います。親が施設を拒否しているうちは、まずその「なぜ」に耳を傾けることが何より重要なのです。
もめる家庭と、うまくいく家庭。何が違うのか
私たちがこれまで関わってきたご家族を振り返ると、うまくいったケースには共通点があります。それは「施設か在宅か」という二択で話し合いを始めなかったこと。
もめるご家族の多くは、いきなり「どの施設にするか」という話題から入ります。親としては「まだそこまで決まっていない」「自分の意見を聞いてもらえていない」と感じ、防衛本能が働きます。結果、感情的な対立になってしまう。
一方、うまくいくご家族は「今、自宅で何が不安なのか」をまず一緒に整理するところから始めます。お風呂の段差が怖い、夜中のトイレが不安、転んだときに誰もいない――そうした具体的な課題をひとつずつ解決していく過程の中で、「このサービスを使えば在宅でもう少し続けられる」という道が見えてくる場合も少なくありません。
実際に私たちがお手伝いしたあるご家族のケースでは、80代の父親が「施設なんて絶対嫌だ」と強く言っていました。息子さんは東京から加須の実家に月に数回通いながら限界を感じていましたが、まず自宅の浴室に手すりを設置し、週3回のデイサービス(リハスタジオプラス)を「試しに体験だけ」という形で提案しました。体験後、お父様自身が「岩塩のお風呂が気持ちよかった、また来たい」とおっしゃった。その言葉が、家族全員の空気を変えたのです。
✓ ここまでのポイント
- 親が施設を拒否するのは「見捨てられた」という喪失感が背景にある場合が多い
- 「施設か在宅か」という二択ではなく、今ある不安をひとつずつ解決する姿勢がすれ違いを防ぐ
- 体験利用など「小さな一歩」が親の気持ちを動かすきっかけになることが多い
私たちが実際に使ってきた「素材」―― もめない話し合いの道具立て
ここからは少し実務的な話になりますが、私たちが相談の現場で実際に使っている「道具」をご紹介します。これは建設現場でいえば建材の選定と同じ発想です。どんなに腕の良い大工でも、素材が悪ければ良い家は建たない。介護の場面でも、適切なサービスや制度を知っているかどうかが、その後の親子関係を大きく左右します。
① 介護保険住宅改修費(20万円枠)
これは、要支援・要介護認定を受けた方が自宅をバリアフリー改修する際に使える制度で、最大20万円まで工事費の7〜9割が支給されます。手すりの設置、段差の解消、滑り止め、引き戸への変更などが対象です。「施設に入る前に、まず家を安全にしてみよう」という提案の根拠になります。親御さんにとっても「家に居続けるための工事」として受け入れやすい。
ホープシードでは建設業許可(埼玉県知事(般-29)第71135号)を持ち、介護現場を日々運営しているからこそ、「利用者の身体の動き」を理解した上でどこに手すりをつければ本当に安全か、段差をどう解消すれば動線が自然か、という視点でご提案できます。大手の住宅リフォーム会社では担当者がカタログ通りの提案しかできないケースも多い中、私たちは介護の現場から設計を逆算しています。
② 半日型デイサービス「リハスタジオ花咲」
親が施設に抵抗を感じているとき、「まず午前だけ」という切り口は非常に有効です。機能訓練を中心とした半日型なら、「病院のリハビリと同じようなもの」と親御さんに説明しやすい。実際、「老人ホームは嫌だけど、リハビリなら行く」とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。
③ 1日型デイサービス「リハスタジオプラス」
要介護度が上がってきたり、在宅での入浴介助が難しくなってきたりしたとき、次の選択肢として1日型のプラスへ移行します。天然ミネラル岩塩入りの入浴サービスや手作りの昼食、クロスワードや麻雀などの脳活プログラム、さらには月2回の外出レク「チャレンジクラス」(大宮盆栽美術館・秩父34観音巡り・いちご狩りなど)で、「また来週が楽しみ」と感じていただける場所を目指しています。
この「在宅を支える道具」を段階的に組み合わせていくことで、親御さんが「家にいながらにして安全に、そして楽しく」過ごせる環境を整えていく――それが私たちの基本的なアプローチです。
「生きがい活動という毎月2回のイベントが楽しみ。10人規模のスタッフと一緒に回るので安心」
リハスタジオ花咲ご利用者様
「岩塩入りのお風呂で温泉に入っているような感覚に。この施設でのお風呂が一番の楽しみ」
リハスタジオプラスご利用者様
「もめた後」に相談に来たご家族が最終的に選んだもの
老人ホームを巡って親子でひと悶着あった後、私たちに相談にいらっしゃるご家族も少なくありません。そういった方々に共通するのは、「施設を探すことと、在宅を続けることは別の話だと思っていた」という気づきです。
加須市では宅地建物取引業許可(埼玉県知事(1)第23447号)も持つ私たちに、「親が亡くなった後の実家をどうすればいいか」という相談が来ることもあります。介護の入口から、在宅生活の継続支援、そして最終的な実家の売却・建替えまで、同じ窓口で相談できる体制があることで、「またイチから業者を探す」という疲労感なく対応できます。
親の介護が始まると、ケアマネ・地域包括支援センター・市役所・リフォーム業者・不動産会社と、連絡先があちこちに散らばっていく。そのたびに「また説明しなければいけない」という消耗が積み重なります。私たちが目指しているのは、ご家族にとって「この人たちに聞けばいい」という一本の太い柱になることです。
まとめ:「施設か在宅か」より先に聞くべき一つのこと
老人ホーム探しで親ともめる本当の理由は、多くの場合「親の本音を先に聞かなかったこと」に行き着きます。「自分の家で、自分らしく」という気持ちを受け止めた上で、「そのために何ができるか」を一緒に考える。その順番を間違えないだけで、話し合いの雰囲気はまるで変わります。
株式会社ホープシードでは、デイサービスの体験利用から自宅のバリアフリー改修の現地確認まで、加須市を中心に対応しております。「まず話だけでも」というご連絡をいただくことが、解決への一番の近道です。ご利用者様ご本人はもちろん、ご家族様だけでのご相談も大歓迎です。
お電話でのご相談は 0480-53-7143(受付:月〜土 8:30〜18:00)まで。メールでのお問合せは お問合せ フォームからどうぞ。どんな小さなことでも、同じ目線でお話を聞かせていただきます。


コメント