C1介護の基礎知識

68. 介護保険のお金の流れを図解|自己負担1割・2割・3割の決まり方

9月に入り、朝晩の風が少しずつやわらかくなってきました。そんななかでも、「親が入院してしまって、退院までに自宅を整えなければ」と急かされるような毎日を過ごしているご家族様は少なくありません。

「介護保険で住宅改修ができると聞いたけど、自己負担がいくらかかるのかわからない」「1割なのか3割なのか、どうやって決まるのか誰も教えてくれない」——そんな声を、私たちホープシードにもよくいただきます。

今回は、介護保険のお金の流れ、とくに自己負担割合(1割・2割・3割)がどのように決まるかを、ステップを追ってできるだけわかりやすくお伝えします。退院日まで時間がないご家族様にこそ、先に読んでおいてほしい内容です。

📋 この記事でわかること

  1. 介護保険の自己負担割合(1割・2割・3割)の決まり方と判定ステップ
  2. 住宅改修費20万円枠を使ったときの実際の自己負担額の目安
  3. 退院日まで2〜4週間しかないときの、住宅改修申請の進め方
  4. 改修後にデイサービスへスムーズにつなぐための流れ

こんな方におすすめ

  • ✅ 親が脳梗塞・骨折で入院中で、退院前に手すりや段差解消工事を急いでいる方
  • ✅ 介護保険の自己負担が何割になるか、仕組みをまだ理解していない方
  • ✅ 住宅改修費20万円枠の使い方を知りたい方
  • ✅ 仕事を休めず、平日に動けないまま退院日が近づいている方
  • ✅ 介護保険の申請からリフォーム、退院後のデイサービスまで一括で相談できる窓口を探している方
68. 介護保険のお金の流れを図解|自己負担1割・2割・3割の決まり方 | 株式会社ホープシード

介護保険の「自己負担割合」はどうやって決まるのか

まず大前提として、介護保険サービス(住宅改修費を含む)を利用する際の自己負担割合は、一律ではありません。本人の所得や、同じ世帯に住んでいる人の収入状況によって、1割・2割・3割のいずれかに振り分けられます。

厚生労働省の制度設計では、65歳以上の第1号被保険者について、現役並みの収入がある方ほど自己負担を多くする「応能負担」の考え方が採られています。

STEP 1:まず「65歳以上かどうか」を確認する

役割:対象者の区分を確定させる

介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と、40〜64歳で特定疾病がある「第2号被保険者」に分かれます。自己負担割合の判定対象となるのは、原則として65歳以上の第1号被保険者です。40〜64歳の方は原則1割負担(所得に関係なく)となります。

⚠️ 住民票上の世帯が複数人の場合、本人だけでなく同一世帯員の収入も判定に影響します。世帯分離の状況を事前に確認しておくと後のステップがスムーズです。

STEP 2:「合計所得金額」を確認する

役割:2割・3割の入り口となる所得ラインを把握する

自己負担割合の判定には、確定申告等で算出される「合計所得金額」が使われます。目安として、合計所得金額が220万円以上の場合は「3割負担」の可能性があり、160万円以上220万円未満の場合は「2割負担」の可能性があります(2024年度現在の基準。制度改正が入ることがあるため、最新の情報はお住まいの市区町村窓口でご確認ください)。

⚠️ 「合計所得金額」は、給与や年金だけでなく不動産収入なども含まれる場合があります。源泉徴収票や確定申告書で事前に確認しておくと、申請時にあわてずに済みます。

STEP 3:「年金収入+その他所得」の合計額で最終確認する

役割:2割と3割の境界を正確に判定する

合計所得金額だけでは「2割か3割か」が確定しない場合があります。その場合、年金収入とその他の合計収入額も加味して最終判定されます。同一世帯に65歳以上の方が複数いる場合は、世帯全体の収入合計で判断されるケースもあります。

実際の割合は、市区町村から毎年送付される「介護保険負担割合証」に明記されています。これは介護サービスを利用する際に必ずケアマネージャーに提示が必要な書類です。

⚠️ 負担割合証の有効期限は毎年8月1日〜翌年7月31日です。更新時期を過ぎていると古い割合で計算されてしまう場合があります。介護保険の更新申請の期限と手続きの注意点もあわせて確認しておくと安心です。

✓ ここまでのポイント

  • 自己負担割合は「合計所得金額」と「年金収入+その他所得」の合計で決まり、1割・2割・3割のいずれかになる
  • 実際の割合は市区町村から届く「介護保険負担割合証」で確認できる
  • 世帯の状況(人数・収入)によって判定が変わるため、世帯分離の有無も確認が必要

「退院日まで2〜4週間しかない」という状況で、事前申請・ケアマネ調整・施工を誰がどう進めるかがまだ整理できていないご家族様は多くいらっしゃいます。ホープシードへのお問い合わせフォームでは、現在の状況(退院予定日・改修したい箇所・介護度など)をお伝えいただくことで、次に動くべきステップを具体的にご案内できます。

退院前の住宅改修について相談する(お問い合わせフォーム)

住宅改修費20万円枠を使うと、実際の自己負担はいくら?

介護保険の住宅改修費は、対象工事に対して上限20万円(支給限度基準額)まで保険が適用されます。手すりの設置、段差の解消、滑り止めの設置、引き戸への変更などが主な対象工事です。

自己負担割合別に、20万円全額を使った場合の実負担額の目安は次のとおりです。

  • 1割負担の方:自己負担 約2万円(保険から18万円支給)
  • 2割負担の方:自己負担 約4万円(保険から16万円支給)
  • 3割負担の方:自己負担 約6万円(保険から14万円支給)

この枠は原則として「ひとり一生涯20万円まで」です。ただし要介護度が3段階以上上がった場合などは、リセットして再利用できる規定があります。詳しくは介護保険の20万円リフォーム枠の使い切り方をご覧ください。

「岩塩入りのお風呂で温泉に入っているような感覚に。この施設でのお風呂が一番の楽しみ」

リハスタジオプラス ご利用者様

自宅のお風呂が怖くて入れなくなっていた方が、退院後にリフォームと並行してデイサービスを始め、「ここのお風呂が一番」とおっしゃってくださるまでになった——そういった声を聞くたびに、住宅改修とデイサービスをセットで提案してよかったと実感します。安全に入浴できる環境を「自宅」と「施設」の両面から整えることが、在宅生活の継続につながるのだと感じています。

「退院前の住宅改修は、時間との戦いです。でも申請の書類や段取りを知っていれば、2週間あれば十分間に合います。私たちはその段取りを全部引き受けます。介護現場を持っているから、どこに手すりが必要か、どの段差が転倒につながるかを現場感覚で判断できるんです。」

伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)

退院まで2〜4週間しかない——住宅改修申請の実際の進め方

「退院日が決まったけど、自宅の改修が間に合わない」というご相談は、ホープシードに寄せられるなかでも特に緊急性の高いケースです。脳梗塞や大腿骨骨折での入院後は、病院側も早期退院を推進しており、ご家族様が気づいたときには「あと2週間」という状況になっていることが珍しくありません。

ここでは、実際に私たちが対応している流れをステップ形式でご紹介します。

住宅改修申請の流れ STEP 1:ケアマネージャーまたはMSWへの連絡(入院中に着手)

役割:申請に必要な「理由書(意見書)」の作成依頼を開始する

介護保険の住宅改修費を申請するには、ケアマネージャーが作成する「住宅改修が必要な理由書」が不可欠です。この書類がなければ申請自体ができません。入院中のうちに、病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)を通じてケアマネに連絡を入れることが最初の一手です。

⚠️ 「まだケアマネがいない」という場合は、加須市の地域包括支援センターに相談すると担当ケアマネのあっせんを受けられます。私たちも連絡先の案内だけなら無料でお答えしています。

住宅改修申請の流れ STEP 2:自宅の現地確認と改修箇所の特定(退院3週間前までに)

役割:実際に工事が必要な箇所を介護の視点でリストアップする

住宅改修では「どこに何を設置するか」を事前申請します。そのため、施工業者が事前に自宅を確認し、ケアマネの理由書と整合した内容で申請書を作成する必要があります。ホープシードでは、ケアマネや理学療法士の意見を聞きながら、介護動線を理解した目線で改修箇所を提案します。

⚠️ 「とりあえず手すりをつければいい」は危険です。浴室・トイレ・廊下・玄関スロープなど、生活動線全体を確認せずに一箇所だけ工事をすると、かえって別の場所での転倒リスクが残ります。

住宅改修申請の流れ STEP 3:事前申請書の提出(加須市役所へ)

役割:工事着工前に市役所の承認を得る(これをしないと保険が使えない)

介護保険の住宅改修費は、工事着工前に市区町村へ事前申請し、承認を得ることが絶対条件です。工事後に申請しても保険は適用されません。申請書類には、理由書・工事見積書・工事図面・工事前の写真が必要です。ホープシードでは書類作成から提出まで代行しており、お客様がご自身で市役所へ出向く必要はありません。

⚠️ 加須市役所の窓口は平日のみ対応です。仕事を持つ子世代が代行するのは現実的に難しいため、ここを業者が担えるかどうかが「間に合うかどうか」を左右します。

住宅改修申請の流れ STEP 4:承認後に着工・退院日に合わせて完工

役割:工事を退院日前日までに完了させ、安全な自宅環境を整える

承認が下り次第、速やかに着工します。手すり設置・段差解消・滑り止め・引き戸への変更といった介護リフォームは、内容によっては1〜3日で完工できます。退院日当日に「家に帰れる状態」を作ることが最優先です。

⚠️ 工事完了後には「完成写真」の撮影と「工事費領収書」の保管が必要です。これらが揃わないと保険給付の申請ができません。ホープシードでは完工後の書類一式もまとめて準備します。

住宅改修申請の流れ STEP 5:退院後のデイサービス利用へスムーズに接続する

役割:自宅に戻った後の「生活の継続」を支える体制を整える

住宅改修で自宅環境を整えるだけでは、在宅生活の維持は難しい場合があります。退院直後はリハビリを継続しながら筋力・バランス感覚を取り戻す時期です。ホープシードが運営するリハスタジオプラス(1日型デイサービス・要支援1〜要介護5対応)では、退院後の方を積極的に受け入れています。施工担当と同じ法人内にデイサービスがあるため、ケアマネへの情報共有がとてもスムーズです。

⚠️ リハスタジオプラスは加須市の地域密着型通所介護のため、加須市在住の方のみご利用いただけます。市外在住の方は事前にご確認ください。

加須市の介護保険サービスで使える限度額の全体像については、加須市の介護保険サービス利用限度額(要支援1〜要介護5)もあわせてご確認ください。

「急いでいるから、どこかに頼めばいい」では危険な理由

退院前の住宅改修は、インターネットで「手すり 工事 安い」と検索して最初にヒットした業者に頼めばいい——そんな単純な話ではありません。

🏠 一般的なリフォーム業者に依頼した場合

  • 介護保険申請の書類作成に不慣れで、提出ミスや差し戻しが起きやすい
  • ケアマネ・MSWとの連携経験がなく、理由書との整合確認が抜け落ちる
  • 「とにかく手すりをつければいい」という工事になり、本当に必要な箇所が見落とされる
  • 工事後の写真・領収書の整備が不十分で、給付申請で手間が発生する

⭐ ホープシード(介護現場を持つ工務店)に依頼した場合

  • デイサービス運営で培った介護動線の知識をもとに、本当に必要な改修箇所を特定
  • ケアマネ・MSWとの調整から事前申請書類の作成・提出まで一貫して代行
  • 退院日に間に合うスピード施工(状況によっては着工から1〜2日で完工)
  • 完工後の給付申請書類も一式まとめて準備、ご家族様の手間を最小化
  • 退院後はそのままリハスタジオプラスへのデイサービス接続も可能

私たちが業界経験21年のなかで積み上げてきたのは、こうした「介護の現場を知っているからこそできるリフォーム提案」です。加須市を中心に、さいたま市・久喜市・春日部市・羽生市など広域でご相談を受けています。

まとめ:自己負担の仕組みを知ったうえで、退院前に動き始めましょう

今回お伝えしたことを整理すると、介護保険の自己負担割合は「合計所得金額」と「年金収入+その他所得」で1割・2割・3割が決まり、住宅改修費20万円枠を使った場合の実負担は最低2万円〜最高6万円程度が目安です。そして何より大切なのは、工事前の事前申請がすべての起点であり、そこをどれだけ素早く進められるかが退院日に間に合うかどうかを決める、ということです。

「もう時間がない」と感じたときほど、一人で抱え込まず、介護と建設の両方を知っている相談窓口に早めに声をかけてください。ホープシードでは電話での初回相談を受け付けています。仕事の合間でも構いません。まずは状況をお聞かせください。

📞 お電話はこちら:0480-53-7288(受付時間 月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)

自己負担の割合も、20万円枠の使い方も、申請の段取りも、この記事で「わかった」だけでは自宅は安全になりません。退院日が迫っているいま、ケアマネへの連絡・市役所への事前申請・現地確認を同時に動かせる窓口に連絡するのが、最も確実な一手です。

介護リフォームの申請から施工まで一括で相談する

-C1介護の基礎知識