「施設には絶対に行かない」──最初にそう言い張っていたHさん(78歳・女性)が、今では毎回の外出レクの前夜から「明日は何を着ていこうかしら」と準備を始めるようになりました。
花咲施設長がそのことを教えてくれたのは、ある朝の開館前の時間のことでした。「最初は送り出すご家族様のほうが心配そうで。でも今は、Hさんご本人が一番楽しみにしてくださっているんですよ」と、少し誇らしそうに話してくれた表情が印象的でした。
今回は、加須市の「リハスタジオ花咲」で施設長を務めるスタッフの一日に密着しながら、78歳の女性が月2回の外出を通じて取り戻した「楽しみ」と「自信」の話をお伝えしたいと思います。
📋 この記事でわかること
- 「介護施設には行きたくない」という方がどんなきっかけで前向きになれるか
- リハスタジオ花咲の「チャレンジクラス」とは何か、具体的な活動内容
- 加須市の介護予防として、デイサービスと外出レクが果たす役割
- 施設長の一日の流れと、スタッフが大切にしている関わり方
こんな方におすすめ
- ✅ 親がデイサービスへの利用を嫌がっていてお困りの方
- ✅ 加須市内で介護予防・リハビリに特化したデイサービスを探している方
- ✅ 「施設=老人扱い」というイメージが先行してしまい、一歩踏み出せない高齢者ご本人
- ✅ 親の生きがいづくりや社会参加の機会を作ってあげたい50〜60代の子世代
- ✅ ご家族の介護負担を少しでも軽くしたいと考えている方

朝8時30分、開館前の「準備」に込められた思い
リハスタジオ花咲の一日は、ご利用者様が到着するより早く始まります。花咲施設長が施設に入ってまず確認するのは、室温・換気、そしてその日のプログラムの段取りです。
「ご利用者様が到着された瞬間、『あ、今日も来てよかった』と思っていただける空気感を作ることが、朝の一番大事な仕事だと思っています」と施設長は話します。床の清潔さはもちろん、スタッフ間での申し送りも念入りに行われます。前日の体調変化、ご家族様からの連絡事項、機能訓練の負荷調整──細かいことほど、実は丁寧に確認されています。
チャレンジクラス(外出レクリエーション)がある日は、出発時間の調整やご利用者様の持ち物確認も朝の準備に加わります。「今日は深大寺に行く日ですよ」とお声がけすると、表情がパッと明るくなる方が多い。その反応が、毎朝頑張る原動力になっています、と施設長は穏やかに笑います。
「行きたくない」から「行きたい」へ──Hさんの変化
Hさんが初めてリハスタジオ花咲に来られたのは、ちょうど1年ほど前のことです。要支援2の認定を受けたばかりで、娘さんが「体が心配で」と付き添っていらっしゃいました。
ご本人は一言、「私はまだそんな歳じゃないから」とおっしゃっていたそうです。
花咲施設長がまず提案したのは、無理に機能訓練から始めることではありませんでした。「まず、いつでも帰れると思っていてください。嫌だったら嫌と言ってください」──そう伝えた上で、最初は半日の体験利用をお勧めしました。
転機になったのは、2回目の利用日に案内したチャレンジクラスの説明でした。「来月、盆栽美術館に行くんですよ。ご興味ありますか?」と施設長が声をかけると、Hさんは少し間を置いてから「…行ったことないわ」とつぶやきました。
そこからです。翌月の外出に参加したHさんは、帰ってきてから「思ったよりずっと楽しかった」と娘さんに電話をしたそうです。スタッフと一緒に、10名規模のグループで回るので不安も少なく、久しぶりに「外の世界」に触れた喜びは本物だったと言います。
「生きがい活動という毎月2回のイベントが楽しみ。10人規模のスタッフと一緒に回るので安心」
リハスタジオ花咲 ご利用者様
✓ ここまでのポイント
- 施設長は「来てよかった」と思えるような雰囲気づくりを、開館前の準備から徹底している
- 「行きたくない」という気持ちは無理に変えようとせず、本人の興味・関心から糸口を見つけることが大切
チャレンジクラスとは──「今だからできる」新しい体験の場
リハスタジオ花咲のチャレンジクラスは、月2回の外出レクリエーションプログラムです。単なる気分転換ではなく、「シニアの自己実現」を支えるための活動として位置づけられています。
行き先は季節や参加者の希望に合わせて変わります。大宮盆栽美術館、武蔵一宮氷川神社、秩父34観音巡り、いちご狩り、神代植物公園(深大寺)、菖蒲グリーンセンター(久喜市)、学校給食歴史館、春のミモザまつり──県外を含む多彩な場所を、スタッフが同行しながら巡ります。
花咲施設長が大切にしているのは、「安全に行って帰ってくる」だけでなく、「その日の体験が後から話のタネになる」ことです。施設に戻ってきた後に「あそこの花、きれいだったわね」「あの御朱印を見せてあげたい」という会話が生まれること自体が、介護予防につながっていると施設長は言います。
「リハビリも大事ですが、『楽しみがある』という気持ちが、いちばんの介護予防だと私は思っています。Hさんのように、外出の前日から嬉しそうにしてくださる姿を見ると、これがあってよかったと心から感じます」
花咲施設長(リハスタジオ花咲)
加須市の高齢化率は31.5%と全国平均を上回り、3.3人に1人が65歳以上という地域です。外出の機会が減りがちな環境だからこそ、意図的に「楽しみ」を作り出す仕組みが必要だと、ホープシードは考えています。
午前の機能訓練から昼食まで──「アットホーム」な時間の流れ
外出のない通常の日も、花咲の一日は充実しています。午前中はレッドコードを使ったストレッチや、ICカードで個別管理されたマシン訓練、ヨガ要素を取り入れた体操など、ご利用者様一人ひとりの状態に合わせたプログラムが組まれています。トランポリンを使った軽い運動が好きな方もいれば、クロスワードや頭を使ったゲームを楽しむ方も。「楽しく続けられること」が第一です。
足湯の時間になると、施設内がほっとした雰囲気に包まれます。「短い時間でも、足湯のあのほっこりした感じが好き」とおっしゃる方は多く、スタッフとの何気ない会話が生まれやすい時間でもあります。
「クロスワードから体操・マシン運動など短い時間ですが、大満足。足湯のほっこりした時間が嬉しい」
リハスタジオ花咲 ご利用者様
花咲施設長が「同じ目線で接すること」を何より大切にしているのは、利用者様が「来客」ではなく「ここにいていい人」と感じられる空気を作りたいからです。スタッフの立ち位置、声の出し方、目線の高さ──細かいことの積み重ねが、我が家のような温もりにつながると信じています。
夕方の送り出しと「家族へのレポート」──見えない安心を届ける
利用終了後の送り出しも、施設長にとって重要な仕事のひとつです。「今日はよく歩けていましたよ」「食事もしっかり召し上がってくださいました」──一言でも具体的な様子を伝えることで、ご家族様の「平日の不安」を少しでも和らげたいと考えています。
加須市の介護事情として、東京や都市部から通って親の様子を見る遠距離介護の方も少なくありません。「施設から連絡が来たら何か悪いことが起きたとき」ではなく、「普段の様子を知らせてもらえる」という信頼関係がどれだけ大切か、花咲施設長は身に染みて感じています。
リハスタジオ花咲(要支援1〜要介護3対応の半日型)と、1日型のリハスタジオプラス(要支援1〜要介護5対応)という2つの施設を持つホープシードは、ご利用者様の状態が変化しても同じグループ内でスムーズに対応を引き継ぐことができます。介護度が上がったとき、また住まいのバリアフリー改修が必要になったとき、さらにその先の不動産相談に至るまで──ケアマネージャー様やご家族様がその都度、新しい業者を探す必要がない体制を整えています。
まとめ:「楽しみ」こそが、在宅介護を長く続ける力になる
Hさんは今日も、チャレンジクラスの日を指折り数えながら過ごしています。月2回の外出が、生活のリズムを作り、外に出る理由になり、スタッフや仲間との会話が生まれる時間になっています。
78歳という年齢は、「もう遅い」のではなく、「今だからできる新しいチャレンジ」がある年齢です。花咲施設長がいつも言うように、「楽しみがある人は、体も心も強い」。その確信が、リハスタジオ花咲の毎日を支えています。
「介護施設に行きたくない」というご本人のお気持ち、「でも心配で」というご家族様の思い──その両方を大切にしながら、まずは体験利用から一緒に考えさせてください。加須市の地域密着型デイサービスとして、ご利用者様とご家族様に寄り添い続けることが、私たちホープシードの使命です。
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