秋の気配が深まるこの季節、窓から差し込む柔らかな光の中でふと気づくことがあります。「この家、やっぱり好きだな」と。長年暮らした自宅には、壁の質感、床の温もり、廊下の匂い――言葉にしにくいけれど、確かにある「居心地のよさ」が染みついています。
私たち株式会社ホープシードが加須市を中心に工務店・リフォーム店として歩んできた中で、お客様からくり返し聞く言葉があります。「施設には入りたくない。できるだけ自分の家にいたい」。この思いは、高齢になっても、身体が不自由になっても、ほとんど揺らぎません。それは「わがまま」でも「無理難題」でもなく、人として当然の願いだと私たちは考えています。
今回の記事では、「自宅で暮らし続けたい」という願いを叶えるうえで、住まい自体の素材選びがどれほど大切かをお伝えしたいと思います。具体的には、無垢材・珪藻土・漆喰といった自然素材のメリットとコスト、そして介護リフォームとの組み合わせ方までを丁寧にご紹介します。
📋 この記事でわかること
- 無垢材・珪藻土・漆喰それぞれの特徴と、在宅生活への具体的なメリット
- 自然素材を使った場合の費用感と、一般的な建材との違い
- 介護リフォーム・バリアフリー改修と自然素材を組み合わせるポイント
- 「自宅で暮らし続ける」ための住まいとデイサービスの連動活用法
こんな方におすすめ
- ✅ 自宅リフォームの素材選びで迷っている方
- ✅ 高齢の親が「施設には入りたくない」と言っており、住まいの安全対策を考えている方
- ✅ 無垢材や漆喰など自然素材の家に興味はあるけれど、コストが心配な方
- ✅ 介護保険の住宅改修費20万円枠をどう使えばよいか知りたい方
- ✅ 加須市・埼玉県北部エリアで工務店・リフォーム業者を探している方

「住み慣れた家にいたい」――その願いを、素材が支える
「自宅で暮らし続けたい」という思いの根っこには、単なる場所への愛着以上のものがあります。慣れ親しんだ空気感、季節の移ろいを感じる窓の向き、台所の使い勝手――それらが積み重なって「ここが自分の居場所だ」という安心感になっている。私はそう感じています。
だからこそ、リフォームで素材を選ぶとき、「安いから」「流行っているから」という理由だけで決めてほしくないのです。特に高齢になってからの改修では、素材が身体に与える影響――床の固さ、壁の湿度調整、足元の温かさ――が日々の暮らしの質に直結します。
私たちホープシードは、建設業許可(埼玉県知事(般-29)第71135号)を持ちながら、同時に地域密着型通所介護事業者として「リハスタジオ花咲」「リハスタジオプラス」という2つのデイサービスを運営しています。介護の現場で毎日ご利用者様の身体状況と向き合っているからこそ、「この床材は車椅子のタイヤが引っかかりやすい」「この壁は結露しやすく転倒リスクが上がる」といった視点でリフォームの素材選びができます。21年にわたる業界経験と、介護×建設の両輪があって初めて気づけることです。
自然素材①「無垢材(むくざい)」――足元から伝わる温もりは、身体を守る
無垢材とは、丸太から切り出した天然の木材そのものを使った床材・壁材のことです。合板フローリングのように複数の薄板を貼り合わせたものではなく、一枚の木の板がそのまま床になります。
無垢材の最大の特徴は「熱伝導率の低さ」。冬の朝、素足で床を踏んだときの冷たさは、実は合板フローリングの方が大きく感じることが多い。無垢材は木の細胞内に空気を含んでいるため、断熱性が高く、素足でも温かみを感じやすいのです。高齢になると足元の冷えが転倒リスクを高めるため、これは見逃せない利点です。
また、無垢材は「調湿作用」を持ちます。湿度が高いときは水分を吸収し、乾燥しているときは放出する。加須市のような夏に高温多湿、冬に乾燥する関東内陸型の気候では、室内の湿度を安定させる素材の力が体感的な快適さに大きく影響します。
コストの目安: 一般的な合板フローリングと比べると、無垢材の施工費は1.5〜2倍程度になることが多いです。ただし、合板は表面が剥がれてきたり反りが出たりすると張り替えが必要になる一方、無垢材は表面を削り直すことで長く使い続けられます。長い目で見たときのコストパフォーマンスは、必ずしも割高ではありません。
「私たちが介護リフォームをご提案するとき、まず現場のご利用者様の動き方を思い浮かべます。この方は手すりを使いながら廊下を歩く。この方は車椅子で移動する。床材一枚の選択が、転倒リスクの差になる。それを知っているのが、介護現場を持つ工務店の強みだと思っています。」
伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)
自然素材②「珪藻土(けいそうど)」と「漆喰(しっくい)」――壁が呼吸する家
珪藻土は、植物性プランクトン(珪藻)の化石が堆積した天然素材。漆喰は石灰石を焼いて作られた伝統的な左官材料です。どちらも「壁が呼吸する」と表現されるほど、調湿・消臭・抗菌性に優れています。
珪藻土の特徴
珪藻土の最大の強みは、多孔質(細かい穴がたくさん開いている)な構造による圧倒的な調湿力です。お風呂上がりの湿気を素早く吸収し、乾燥した季節には湿気を放出する。結露が起きにくくなるため、壁のカビや床のぬかるみが減り、滑り転倒のリスクが下がります。また、タバコやペットの臭いを吸着する消臭効果も期待できます。
視覚的にも、左官職人が仕上げる独特の風合いは温かみがあり、「我が家らしい顔」を部屋に与えてくれます。
漆喰の特徴
漆喰は強アルカリ性で、カビや細菌が繁殖しにくい素材です。古くから日本の蔵や城で使われてきた実績があり、耐久性は折り紙付き。白い壁面が光を反射して室内を明るく見せる効果もあります。
珪藻土と比べると調湿性はやや劣りますが、強度と耐久性では漆喰に一日の長があります。「長く住み続ける家」という観点では、漆喰の壁は数十年単位で機能を発揮し続けます。
コストの目安: 珪藻土・漆喰ともに、ビニールクロス(壁紙)と比べると施工費は1.5〜3倍程度かかります。ただし、壁紙は10〜15年で張り替えが必要になるケースが多いのに対し、自然素材の壁は適切にメンテナンスすれば30年以上もちます。部分的なひび割れは補修で対応できるため、長期的には費用を抑えやすいのも特徴です。
✓ ここまでのポイント
- 無垢材の床は断熱性・調湿性が高く、高齢者の足元の冷えや転倒リスクを軽減する効果がある
- 珪藻土・漆喰の壁は調湿・消臭・抗菌に優れ、結露やカビによるすべり転倒リスクを下げる
- 初期費用は一般建材より高いが、耐久性・メンテナンス性の観点で長期的なコストパフォーマンスは高い
「安全のためにリフォームしたいが、何から手をつければよいかわからない」――無垢材・珪藻土の特徴を読んでも、ご自宅のどこに何をすべきかは、現場を見なければ判断できません。お問合せフォームから現地確認のご相談を受け付けています。介護リフォームの20万円枠の使い方も含めて確認いただけます。
自然素材の家と介護リフォームを「組み合わせる」という発想
「自宅で暮らし続けたい」という願いを実現するとき、大切なのは素材選びだけではありません。住まいの構造的なバリアを取り除くことが、在宅生活の継続年数を大きく左右します。
介護リフォーム STEP 1
現状の安全リスクを把握する
トイレ・浴室・廊下・玄関の段差、手すりの有無、床材の滑りやすさを確認します。私たちは介護の現場でご利用者様の身体状況を日々見ているため、「この段差は杖を使う方には危険」「この廊下幅では車椅子が曲がれない」といった具体的なアドバイスが可能です。
⚠️ ご家族だけで判断すると、普段使いに慣れているため危険箇所を見落としやすい。専門家の現地確認を経てから計画を立てることが重要です。
介護リフォーム STEP 2
介護保険住宅改修費(20万円枠)の活用
要支援・要介護の認定を受けている方は、20万円を上限に住宅改修費の支給を受けられます(自己負担は1〜3割)。手すりの設置、段差の解消、引き戸への変更、浴室・トイレの改修などが対象です。この枠を最大限に活かしながら、自然素材へのアップグレードを組み合わせることで、「安全で心地よい自宅」を実現できます。
⚠️ 介護保険の住宅改修費は事前申請が必要です。着工前にケアマネジャーに相談し、手続きを進めることが大前提です。
介護リフォーム STEP 3
自然素材と安全設備を同時に導入する
手すり設置や段差解消の工事に合わせて、床材を無垢材に、壁を珪藻土に変更するのが最も効率的です。工事の回数を減らせるため、ご本人・ご家族の負担も抑えられます。
⚠️ 「安全のためだからシンプルでいい」と割り切ってしまうと、長く住み続けるうちに「家が好きじゃなくなってきた」という感覚につながることがあります。安全と心地よさは、どちらかを犠牲にしなくてよいのです。
また、中古住宅を購入してリノベーションするケースでも、同様のアプローチが有効です。既存の構造を活かしながら自然素材を取り入れ、介護に対応した間取りに変えていく。加須市近隣では築年数の古い戸建てを持つご家庭が多く、このご相談も増えてきています。
「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」
リハスタジオプラス ご利用者様
このお声は、1日型デイサービス「リハスタジオプラス」にご通所いただいているご利用者様からいただいたものです。一人暮らしで、外出の機会が限られる中でも、デイサービスという「もう一つの居場所」が心の支えになっている。自宅を「安全に快適に住み続けられる場所」に整えながら、デイサービスで社会とのつながりと機能訓練を維持していく――この両輪が「在宅生活の継続」を支えます。
デイサービスと住宅改修の組み合わせについては、パーキンソン病の方がデイサービスを活用するメリットの記事でも詳しく触れています。特定の疾患をお持ちの方にも参考になる内容ですので、あわせてご覧ください。
加須市の気候・住環境と自然素材の相性
加須市は夏に高温多湿、冬に空っ風が吹く乾燥した気候が特徴の関東内陸型の地域です。この気候において、調湿性に優れた自然素材の価値は特に高い。
たとえば夏場の結露。ビニールクロスの壁では水分が表面に留まりやすく、カビの温床になることがあります。珪藻土や漆喰なら湿気を吸い込み、時間をかけて放出するため、結露が起きにくい。床が濡れてすべる――高齢者の転倒事故の大きな原因の一つがここにあります。
また、加須市は持ち家率が高く、戸建て住宅が中心のエリア。築30〜50年の住宅が多く残っており、そういった家を「壊して建て替える」のではなく、「素材を活かしながら安全に整えていく」という発想が広がっています。
私たちが手がけてきた施工事例の中には、長期優良住宅の認定を視野に入れた設計も含まれています。自然素材の家は、耐久性・省エネ性という観点でも長期優良住宅の基準と親和性が高い。「いつまでも住み続けたい家」を作るという方向性が、制度的にも後押しされる時代になっています。
まとめ――「住み続けたい」という気持ちを、素材と仕組みで支える
無垢材の床は足元から温もりを届け、珪藻土・漆喰の壁は空気を整えてくれる。自然素材の家は、単なる「おしゃれな選択肢」ではなく、長く安全に自宅で暮らし続けるための実用的な基盤です。
私たちホープシードが大切にしているのは、「施設に入るしかない」という諦めを、一つひとつ取り除いていくことです。住まいのバリアを段階的に解消し、デイサービスで身体と気力を維持し、ご利用者様が「やっぱり家がいい」と笑顔でいられる日常を守る。それが私たちのしごとだと思っています。
自然素材のリフォームや介護バリアフリー改修について、「うちの場合はどうすればいいか」と思われた方は、まずお電話でのご相談からどうぞ。お気持ちを整理する段階からお話を聞かせていただきます。
📞 0480-53-7288(受付:月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)
「住み続けたい」という願いを支えるのは、素材選びだけでなく、その先の一歩を誰と踏み出すかです。デイサービスと介護リフォームをまとめて相談できる窓口として、ホープシードのお問合せフォームで受け付けています。加須市内の介護認定の有無にかかわらず、まず状況をお聞かせください。