介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、日本全国で年間約10万人にのぼると言われています。でも、辞めた方の多くが、辞めてから1〜2年後に「もっと早くほかの方法を知りたかった」と口にするのを、私たちは現場で何度も聞いてきました。
株式会社ホープシードの代表・伊澤幸子です。埼玉県加須市で介護デイサービスと住宅リフォームを運営して21年。「介護が始まった瞬間、子世代の人生も止まってしまう」という現実を、この地域で何百もの家族と一緒に見つめてきました。
今回は、「仕事を辞めて介護に専念すること」が本当に正しい選択なのか――その問いに、正直にお答えしたいと思います。
📋 この記事でわかること
- 介護離職が招く「経済的・精神的ダブルリスク」の実態
- 仕事を続けながら親の介護を支える、具体的な選択肢の組み合わせ
- デイサービスが「親だけでなく子世代の人生も守る」理由
- 加須市で使える介護サービスと住宅改修の連携イメージ
こんな方におすすめ
- ✅ 「親の介護のために仕事を辞めるべきか」と迷っている50〜60代の方
- ✅ 遠距離介護・仕事と介護の両立に限界を感じている方
- ✅ 親がデイサービスを嫌がって、自宅介護が行き詰まっている方
- ✅ 介護保険サービスをどう組み合わせればいいか分からない方
- ✅ 親の自宅の安全が心配で、リフォームも検討している方

「辞めたら楽になる」という幻想が崩れるまで
少し前のことを思い出します。加須市内にお住まいの58歳の女性・Kさんが、ご相談に来られたのは秋の終わりごろでした。
「母がひとりで歩けなくなってきて、もう私が付きっきりでいるしかないと思って、先月、会社を辞めてしまったんです」
ご本人は覚悟を決めて退職されたはずでした。でも、いざ介護が始まると状況は想像と大きく違っていた、とおっしゃっていました。自由な時間は増えたはずなのに、気持ちは常に張り詰めていて、「自分の人生がどこかに消えてしまった感覚」があると。
介護離職後の生活は、多くの場合「覚悟の先に待っていた消耗」です。厚生労働省のデータでも、介護離職者の約7割が女性で、離職後に再就職できた割合は半数に満たないとされています。収入が断たれた状態で介護は続き、老後の年金・貯蓄の計画まで大きく狂う――これが、介護離職のリアルな姿です。
Kさんのお話を聞きながら、私は「もう少し早く来てくださっていたら」と思わずにはいられませんでした。
「辞める前に知ってほしかった」3つの選択肢
仕事を辞める決断をする前に、組み合わせ次第で在宅生活をぐっと安定させられる選択肢があります。
① デイサービスで「日中の空白」を埋める
介護離職の最大の引き金は、「平日の昼間、親をひとりにできない」という不安です。ここを解消するのが、デイサービスの本来の役割です。
私たちが運営する「リハスタジオプラス」は、1日型のデイサービスで、要支援1から要介護5まで幅広い方に対応しています。機能訓練はもちろん、天然ミネラル岩塩入りの入浴、手作りの昼食、そして頭と体を使うプログラムを組み合わせた一日を提供しています。
「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」
リハスタジオプラス ご利用者様
この声が、すべてを語っていると思います。デイサービスは「預けておく場所」ではなく、ご利用者様にとっての「自分の居場所」になれるのです。一人暮らしの高齢者が「憩いの場」と感じられるほどの関係性が生まれれば、子世代は安心して仕事を続けられます。
また、軽度の方向けには半日型の「リハスタジオ花咲」もご利用いただけます。午前だけ・午後だけといった使い方ができるため、要支援の方にも無理なく通っていただけます。
② 住宅の安全を整えて「転倒リスク」を下げる
子世代が仕事中に一番恐れているのは、「親が家で転んで骨折した」という電話です。実は、自宅内での転倒事故の多くは、段差・浴室・トイレという限られた場所で起きています。
介護保険の住宅改修費は1人あたり20万円の枠(自己負担1〜3割)が使えます。手すりの設置・段差の解消・引き戸への変更といった工事で、自宅の危険な箇所を先手で整えることが、介護離職を防ぐ大きな一手になります。
私たちホープシードは介護の現場を持つ建設業者です。「お風呂場のどこに手すりがあれば、ご本人が自分で立ち上がれるか」「トイレの扉を引き戸にするだけで、介助の手間がどれだけ変わるか」――こうした視点を、実際のデイサービス運営から積み上げています。介護保険住宅改修費の使い方と自己負担額の目安については、別の記事でも詳しくお伝えしています。
③ 「相談の窓口を一本化」して情報の散乱を防ぐ
介護が始まると、ケアマネージャー・地域包括支援センター・市役所・デイサービス・リフォーム業者と、連絡先がどんどん増えていきます。仕事をしながらこれをすべて管理するのは、正直、かなりの負担です。
介護サービス・住宅改修・不動産相談を一カ所で相談できる体制を持つ事業者を選ぶことで、この「情報の散乱」を大幅に減らせます。親が一人暮らしで心配な家族が知っておくべき介護サービスの全体像も、ぜひ参考にしてください。
✓ ここまでのポイント
- 介護離職は経済的・精神的リスクが大きく、再就職も容易ではない
- デイサービスで「日中の不安」を解消すれば、仕事との両立は十分に可能
- 住宅改修(介護保険20万円枠)で転倒リスクを先手で下げることが離職防止につながる
デイサービスと住宅改修の組み合わせが頭では分かっても、「うちの親の状況に当てはめるとどうなるのか」がまだ見えない状態ではないでしょうか。介護サービスの選び方から住宅改修の進め方まで、加須市の実情に即した形で整理する場として、お問い合わせフォームからご状況をお伝えください。
「親がデイサービスを嫌がる」という壁をどう乗り越えるか
「デイサービスを勧めても、親が絶対に行かないと言う」――これは、子世代から最もよく聞く言葉のひとつです。
親御さんが嫌がる理由は、実はシンプルです。「知らない人の中に放り込まれる不安」「自分が弱くなったと認めたくない気持ち」、そして「行っても楽しいことなんてない、という先入観」です。
リハスタジオプラスの施設長・渡邊隆浩は、こう言っています。
「ご利用者様にとって、ここが『来たくなる場所』でなければ意味がないと思っています。身体を動かす喜び、話せる喜び――その『喜びがあふれる瞬間』を一緒に見つけていくのが、私たちの役割です」
渡邊 隆浩(リハスタジオプラス 施設長)
実際、初回に「ちょっと見学だけ」と連れてきた親御さんが、3ヶ月後には自分から「今日はプラスの日だね」と玄関で準備を始めていた、というご家族のお話は珍しくありません。
「先入観」を崩すには、まず一度見てもらうことです。見学だけでも、お気軽に声をかけてください。
「介護のために人生を止めない」という選択が、親の未来も変える
ここで、少し視点を変えてみます。
子世代が介護に専念するために仕事を辞めると、当然ながら外出の機会が減り、ご本人(子世代)の社会とのつながりが薄れていきます。そしてそれは、同居する親御さんの刺激も減るということです。
一方で、お子さんが仕事を続け、親御さんがデイサービスに通う生活は、親子それぞれが「外の世界」と接点を持つ生活です。外出が減ると認知症が進むと言われる科学的な理由にもあるように、社会参加の継続は認知機能の維持に直結します。
リハスタジオ花咲では、月2回の「チャレンジクラス」という外出レクリエーションを実施しています。盆栽美術館、武蔵一宮氷川神社、秩父34観音巡り、いちご狩り、神代植物公園(深大寺)――現役時代に「忙しくて行けなかった」場所へ、10人規模のスタッフと一緒に出かけていきます。
「まだ私には行けていない場所がある」「まだやったことのないことがある」――70代・80代になっても、その気持ちは少しも古びていません。
「生きがい活動という毎月2回のイベントが楽しみ。10人規模のスタッフと一緒に回るので安心」
リハスタジオ花咲 ご利用者様
子世代が仕事を続けながら自分の人生を守ることと、親が新しい体験に挑戦し続けること――この二つは、同時に実現できます。
まとめ:「辞める前に一度、相談を」
介護離職は、決して「愛情の証明」ではありません。仕事を辞めることで解決する問題より、辞めることで生まれる問題のほうが、長い目で見ると大きいケースが多いのです。
デイサービスを活用する、住宅の安全を整える、相談窓口を一本化する――この三つを組み合わせるだけで、多くのご家族が「なんとかなりそう」という感覚を取り戻しています。
株式会社ホープシードは、加須市を拠点に21年、介護・建設・不動産を一体で提供してきました。「仕事を辞めるかどうか、まだ決めていない」という段階からのご相談でも、お話を聞かせていただけます。
電話でのご相談は 0480-53-7288(月〜土 8:30〜18:00)まで、お気兼ねなくどうぞ。
「辞めるかどうか、まだ決めていない」という今この段階が、実は選択肢が一番多い時期です。デイサービスの見学・住宅改修の相談・介護保険の使い方まで、一度に整理できる窓口として活用してください。