「先生から来週には退院できると言われて……でも家のどこに手すりをつければいいか、何も分からなくて」
「高さは床から何センチ?廊下と玄関、どっちを先にやるの?ケアマネさんに何を頼めばいいの?」
お電話口でこんなふうに話してくださるご家族様は、決して少なくありません。入院の知らせを受けてから退院日が決まるまで、頭の中はフル回転。でもいざ「自宅の準備」となると、何から手をつけていいか分からない——そんなあるあるな状況から、この記事は始まります。
私たちホープシードは埼玉県加須市を拠点に、介護リフォームと2拠点のデイサービス(リハスタジオ花咲・リハスタジオプラス)を運営しています。業界歴21年の代表・伊澤幸子が「介護現場を知らない業者が手すりを付けると、かえって使いにくくなる」と長年感じてきたからこそ、今回は手すりの高さと位置の決め方を、身体状況別に具体的にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 脳梗塞・大腿骨骨折後に退院を控えた方向けの、身体状況別・場所別の手すり設置基準
- 介護保険住宅改修費20万円枠の申請手順と「退院に間に合わせる」ためのタイムライン
- 業者・ケアマネ・MSWとの調整を一括代行できる仕組みと、退院後のデイサービス連携の流れ
- 手すり設置で「失敗しやすい落とし穴」と、現場経験から得た注意点
こんな方におすすめ
- ✅ 親が脳梗塞・大腿骨骨折で入院中で、退院まで2〜4週間しかない方
- ✅ 手すりの高さや取付位置の決め方が分からず不安な方
- ✅ 介護保険の住宅改修費20万円枠を初めて使う方
- ✅ 仕事を休めず、ケアマネや業者との調整を任せたい子世代の方
- ✅ 退院後もリハビリを続けられる環境を自宅近くで探している加須市在住の方

「とりあえず手すりを付ければいい」では危険な理由
ある秋のこと、加須市内にお住まいの80代男性・Kさんが大腿骨を骨折し入院されました。ご家族からご連絡をいただいたのは退院の3週間前。「業者さんにネットで頼んだら"標準の高さでつけました"と言われたけど、退院してきたら全然使えなくて……」という経緯をお持ちの方でした。
実はこれ、よくある話なのです。手すりの「正しい高さ」は、健常者向けの建築基準とは別物です。転倒後や術後の身体は、骨折前とは姿勢も重心も変わっています。患側(けがをした側)がどちらか、杖を使うか、膝の屈伸はどの程度できるか——こうした情報なしに「床から75cm」という一般的な数値で取り付けても、実際の動作に合わないケースが出てきます。
介護現場でご利用者様の立ち上がりや歩行を日々見てきた経験から言えることは、手すりは「その人の動作の延長線上に置く」ものだということ。高さと位置が1cm違うだけで、立ち上がる力の入れ方が変わります。
身体状況別・場所別の設置基準——現場で使っている判断軸
では、実際にどう決めるのか。大まかな目安を場所ごとにお伝えします。ただしこれはあくまで判断の起点であり、最終的には理学療法士やケアマネージャーと連携して個別に確認することが欠かせません。
玄関の上がり框(かまち)まわり
靴を脱いで段差を上がるとき、最もバランスを崩しやすい場所です。縦手すりを框の端から約30〜40cmの壁面に設置し、高さは床面(土間側)から750〜850mmの範囲が目安。脳梗塞後で片手しか使えない方は、患側の反対壁に縦手すり+段差上がり口に横手すりを組み合わせると安心です。
トイレ(便座まわり)
立ち座りの動作が最も多い場所。便座面から220〜250mm上を目安に横手すりを設置します。大腿骨骨折後の方は、便座を高くする補高便座との組み合わせが有効です。患側と逆の壁側に縦手すりを加えると、起立動作がぐっと楽になります。
浴室・洗い場
脱衣所から浴室への移動、洗い場での立ち座り、浴槽をまたぐ動作——この三つで転倒リスクが一気に上がります。浴室内はL字型手すりが基本。縦部分の下端が浴槽縁から150mm上、横部分の高さは浴槽縁と同じ高さか少し上が目安です。滑り止めマットとの併用も必須です。
廊下・寝室入口
夜間のトイレ移動で最も事故が多い動線です。連続した手すりを付ける場合、高さは床から750〜850mmで統一。ただし、杖を使う方は利き手側、杖なしの方は壁伝いになりやすい側に優先設置します。
階段
踏面の先端(ノンスリップ部分)から垂直に750〜800mmが基本。上り下り両方向に対応するため、可能であれば両側設置を検討しましょう。片麻痺の方は健側(動かせる側)に手すりを設置することが鉄則です。
✓ ここまでのポイント
- 手すりの高さは「身体状況・患側・動作の種類」によって変わるため、一般的な数値だけで決めると使えないものになる
- 場所ごとに求められる手すりの形状(縦・横・L字)と高さの目安が異なる
- 介護現場の動線を知る業者・専門職と連携して設置位置を決めることが、転倒予防の確実な近道
ここまで読んで、「手順は分かったけど、自分たちだけでケアマネへの連絡・書類・業者選びを同時に動かせるか」という不安が残っているのではないでしょうか。お問い合わせフォームからは、退院予定日・現在の身体状況・ご自宅の改修希望箇所を伝えていただくだけで、次に何をすべきかを具体的にご案内できます。
退院まで3週間——介護保険住宅改修費の申請と施工を間に合わせる手順
「費用のことも心配で……」というご家族様に、まずお伝えしていること。介護保険の住宅改修費は、要支援・要介護の認定を受けている方なら、手すり設置・段差解消・引戸化などに対して上限20万円(自己負担1〜3割)の支給を受けられます。問題は、この申請が複雑で「工事前に書類が揃っていないと保険が使えない」という点です。
住宅改修の流れ STEP 1
ケアマネージャー・MSWへの連絡と意見書の依頼
担当ケアマネ(または病院のMSW)に「退院前に自宅の住宅改修をしたい」と伝え、理由書(ケアマネが作成)の手配をお願いします。この理由書が保険申請の必須書類です。
⚠️ ここをすっ飛ばして「工事だけ先にやってしまう」と、保険が適用されず全額自己負担になるリスクがあります。
住宅改修の流れ STEP 2
業者による現地確認・見積書と工事計画書の作成
業者が自宅を訪問し、取付位置・高さを確認して見積書と工事計画書を作成します。この2書類を市区町村の窓口に事前申請します。
⚠️ 「退院日が近いからすぐ工事してほしい」という気持ちは分かりますが、事前申請なしの工事は保険給付対象外になります。スピードと手順の両立が肝です。
住宅改修の流れ STEP 3
市区町村から承認が下り次第、施工
承認後に施工を行い、完了後に完成写真・領収書を添えて完了報告書を提出。後日、保険給付分が支払われます(受領委任払いの場合は窓口負担が軽減)。
⚠️ 承認〜施工〜完了報告のタイミングがずれると退院日に間に合わない場合があります。書類と施工日を逆算して動くことが必要です。
「介護保険の申請は、手順を知っている人間が動くのと、初めての家族が動くのとでは、かかる時間が倍以上違います。退院日という締め切りがある以上、最初の相談は早ければ早いほどいい。私たちはケアマネさんやMSWさんとの調整も含めて一貫してお手伝いできますので、まずご連絡ください。」
伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)
「退院後の生活」まで見据えた、ホープシードの一貫サポート
ホープシードが他の業者と少し違うのは、住宅改修を手掛ける傍ら、同じ法人グループでデイサービスを2拠点運営しているという点です。
退院後のKさんの話に戻ります。手すり設置と段差解消を退院前日に完成させた後、Kさんはリハスタジオプラスへの通所を開始されました。ICカード管理の個別マシン訓練でご自身のペースでリハビリを続けながら、今では施設のお風呂を楽しみに来られています。
「岩塩入りのお風呂で温泉に入っているような感覚に。この施設でのお風呂が一番の楽しみ」
リハスタジオプラス ご利用者様
自宅のお風呂に手すりをつけて安全に入れるようにしながら、週に数日はデイサービスで天然ミネラル岩塩入りの浴槽を楽しむ——この組み合わせが、退院後の生活を支える現実的なモデルになっています。
住宅改修とデイサービスが別々の事業者だと、お互いの情報が共有されず「せっかく手すりをつけたけど位置が合わない」「退院後のリハ先が決まらない」といった事態が起きがちです。ホープシードでは介護現場を持つからこそ、利用者様の身体状況・動線を建設側にフィードバックできる構造があります。
「家に帰ってから転んだら意味がない、という気持ちで現場を見ています。手すりをどこに付けるかは、その方がどんな動きをするかを想像しながら決める。それは介護の現場を持っていないと分からない視点だと思っています。」
伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)
まとめ——「間に合うか不安」なときこそ、早めの一本を
手すりの高さと位置は、身体状況・患側・動作の種類によって変わります。「床から75cm」という数値はあくまでも起点に過ぎず、実際には理学療法士・ケアマネ・現場を知る業者が連携して決めるものです。そして介護保険の住宅改修費を活用するためには、工事前の事前申請という手順が絶対に必要——これを知らずに動いてしまうと、保険が使えないまま退院日を迎える最悪のケースもあります。
加須市を中心に埼玉県北部・北関東エリアで業界歴21年のホープシードは、ケアマネ・MSWとの調整から書類作成・施工・退院後のデイサービス受け入れまで、一つの窓口でお引き受けしています。「退院まで3週間しかない」という状況でも、まず現状をお聞かせください。
お電話でのご相談は 0480-53-7288(受付時間:月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)まで。
「退院まで2週間しかない」「介護保険の申請を誰かに任せたい」——そのまま、今の状況をフォームに書いて送ってください。ケアマネ・MSWとの調整から施工・退院後のデイサービス利用まで、ホープシードが一貫して動きます。