先日、50代の息子さんからこんなご相談をいただきました。「父が転倒して入院したんです。退院後のことを考えて介護認定の話を出したら、『そんなもん受けん』と怒ってしまって……どう説得すればいいか分からなくて」と。
お盆が過ぎ、残暑の中で久しぶりに実家へ帰省した方も多い8月後半。帰るたびに「あれ、親がひとまわり小さくなった気がする」と感じる——そういうタイミングに、まさにこの問題がのしかかってきます。
「介護認定を受けたくない」。この言葉の裏側に何があるのか、そしてどう向き合えばいいのか。介護歴21年の経験を持つ株式会社ホープシードの代表・伊澤幸子が、同じ目線でお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「介護認定を受けたくない」という言葉の裏にある、親の本音
- 拒否する親への声かけで「やってはいけないこと」と「効く伝え方」
- 認定を受けた後、自宅で暮らし続けるための具体的な選択肢
- 通所介護+住宅改修のワンストップで「在宅継続」を実現する方法
こんな方におすすめ
- ✅ 「施設には入りたくない」と言う親の介護認定申請を検討している方
- ✅ 実家への帰省で親の体力・認知の衰えを感じ、何か手を打ちたい方
- ✅ 遠距離介護中で、平日に親のそばにいられず不安を抱えている方
- ✅ 介護保険の仕組みや住宅改修の使い方を基本から知りたい方
- ✅ 加須市・久喜市・羽生市など埼玉県北エリアに親が住んでいる方

「受けたくない」の本音は、たいてい「施設に行かされる恐怖」
親が介護認定を拒む理由として、もっとも多いのが「認定を受けたら施設に入れられる」という思い込みです。これは決して根拠のない恐怖ではありません。「要介護」「介護保険」という言葉が、多くの高齢者の方にとって「家を出る一歩目」に聞こえてしまっているのです。
加えて、「自分はまだそこまでじゃない」というプライドも大きく関わります。特に農業や建築など、現役時代に体を動かしてきた方ほど、「弱さを認めること」への抵抗感は強い。加須市のような地方の農村型エリアで長年暮らしてきたお父さんやお母さんに、この傾向は色濃く出ます。
ここで子どもとしてやってしまいがちな失敗が、「転倒が心配だから」「もしものときのために」というリスク先行の説得です。正論ではあっても、「あなたはもう自分では無理」と聞こえてしまう伝え方は、親の心を閉じさせます。
「介護認定は"施設への入口"ではなく、"自宅で長く暮らすための道具"です。その順番をひっくり返して伝えるだけで、親御さんの反応はまったく変わります。21年間、たくさんのご家族の場面を見てきて、そう確信しています」
伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)
「自宅にいたい」という気持ちは、絶対に否定しないでほしい
「自宅で暮らし続けたい」——これは、高齢者の方が持つもっとも強い、もっとも正当な願いのひとつです。私たちはこの気持ちを、いつも真正面から受け取るようにしています。
だからこそ、介護認定の話を切り出すときの入口は、こちら側に変えてみてほしいのです。
「施設に行かせたいわけじゃない。今の家で、もっと安全に、もっと長く暮らせるように手伝ってもらえる仕組みを調べたい」という伝え方です。
介護保険は、在宅生活を守るための制度です。訪問介護、通所介護(デイサービス)、住宅改修費の補助——どれも「自宅を生活の中心に置いたまま」使えます。この事実を、まず親御さんに知ってもらうことが、拒否の壁を崩す最初の一歩になります。
✓ ここまでのポイント
- 「認定を受けたくない」の本音は、多くの場合「施設に入れられる」という誤解と、プライドの問題
- リスクを前面に出した説得は逆効果。「自宅で長く暮らすための道具」として伝えることが鍵
- 介護保険は在宅生活を守るための制度であり、施設入所を迫るものではない
「自宅で暮らし続けたい」という親の気持ちは分かっても、認定拒否が続いたまま退院日が近づいてくると、具体的に何から動けばいいか詰まってしまいますよね。通所介護の体験や住宅改修の費用感など、記事では書ききれなかった個別の状況については、お問合せフォームからご相談いただけます。
認定を受けた後の「在宅継続」は、こうして実現できる
では実際に介護認定を受けた後、どんな選択肢があるのか。大きく「通所介護(デイサービス)」と「住宅の環境整備」の2本柱で考えてみてください。
通所介護で「家にいながらリハビリと社会参加」を
私たちホープシードが運営するリハスタジオ花咲(半日型・要支援1〜要介護3対応)とリハスタジオプラス(1日型・要支援1〜要介護5対応)は、まさにこの考えを形にした施設です。
「デイサービスは嫌だ」と最初は渋っていた方が、実際に来てみると「こんなに楽しいなら、もっと早く来ればよかった」とおっしゃる場面に、私は何度も立ち会ってきました。
花咲では、レッドコードやトランポリン、ICカードで個人のレベルに合わせて負荷を自動設定するリハビリマシンを使った機能訓練を行っています。「運動の大切さを知れた」という声が自然と生まれるのは、押し付けではなく、ご利用者様自身が体の変化を実感できる仕組みがあるからです。
「機能訓練で元気になりました!運動による大切さを知れた」
リハスタジオ花咲 ご利用者様
プラスでは、天然ミネラル岩塩入りのお風呂や手作り昼食、月2回の外出レクリエーション「チャレンジクラス」(盆栽美術館・いちご狩り・深大寺など)を通じて、「生きがいを持って通える場所」を作っています。日常の楽しみが増えることで、在宅生活そのものが豊かになっていく——これが私たちの考える「在宅継続支援」です。
住宅の構造的なバリアを段階的に取り除く
デイサービスで体を整えながら、もう一本の柱として取り組んでいただきたいのが住宅の安全対策です。加須市内の持ち家戸建ては、昭和建築の段差・和式トイレ・浴室の段差など、高齢者の体に合っていない構造を抱えていることがほとんどです。
介護保険の住宅改修費は、1人あたり20万円(自己負担1〜3割)の枠が設けられています。手すりの設置、段差の解消、引き戸への交換、浴室・トイレの改修——これらは「大工事」ではなく、日常の動線を少しずつ安全にしていく積み重ねです。
私たちホープシードの強みは、介護現場を持つ建設業者であるという点です。デイサービスでご利用者様の動き方・体の使い方を日々見ているスタッフが、住宅改修の提案にも関わります。「介護士が設計に関わらない改修」と「介護現場を知った上での改修」では、完成後の使い勝手がまるで違います。
🏠 一般的な住宅改修業者の場合
- カタログ通りの手すり位置・浴室仕様を提案することが多い
- 利用者の実際の動線・介助方法を踏まえた提案が難しい
- 小規模な介護リフォームは後回し・割高になりがち
⭐ ホープシード(介護現場を持つ建設業者)の場合
- デイサービス運営で培った「実際の身体動作」の知識をもとに提案
- 介護保険住宅改修費(20万円枠)の手続きサポートも一括対応
- 小規模な部分改修から、フルリフォーム・新築まで自社施工で対応
「介護拒否」が続く場合に、家族が取れる現実的な対処
それでも「絶対に嫌だ」という状態が続く場合、家族だけで解決しようとしないことが大切です。ケアマネジャーや地域包括支援センターに間に入ってもらうことで、「子どもに言われるより聞ける」という変化が起きることは珍しくありません。
加須市には地域包括支援センターが設置されており、介護認定申請の相談窓口としても機能しています。「まず相談だけ」という段階から動いてもらうことができます。
また、認定申請は本人の同意が必要ですが、家族が代理で申請手続きを進めることは可能です。「手続きだけ先に整えて、実際にサービスを使うかどうかは本人と一緒に決める」という順番も、現実的な選択肢のひとつです。
大切なのは、「認定を受けさせること」をゴールにしないことです。ゴールはあくまで「親が自宅で安心して暮らし続けられること」。その目的に向かって、家族・専門家・地域が連携して動く——それが、この先何年もの在宅生活を支える土台になります。
まとめ:「自宅で暮らし続けたい」は、実現できる願いです
「介護認定を受けたくない」という言葉の奥には、「家にいたい」「まだ諦めたくない」という気持ちが込められています。私たちはその気持ちを、いつも大切に受け取っています。
介護認定は施設への道ではなく、在宅生活を続けるための道具です。通所介護でリハビリと社会参加を続けながら、住宅の安全対策を少しずつ整えていく——その積み重ねが、親御さんの「いつまでも自宅で暮らしたい」という願いを現実にします。
加須市・久喜市・羽生市エリアで、介護のこと・住宅改修のこと・どちらの入口からでも構いません。ご家族だけで抱え込まず、まず声をかけてみてください。電話でのご相談も受け付けています。
📞 0480-53-7288(株式会社ホープシード/受付:月〜土 8:30〜18:00)
「自宅で暮らし続ける」ための具体的な一手は、ご家族の状況によって変わります。通所介護の利用からでも、住宅の段差解消からでも、入口はどちらでも構いません。まずは現状をお聞かせください。