残暑がまだ続く8月末、エアコンの効いた室内で「また今日も断られた…」とため息をついているご家族がいるかもしれません。デイサービスに通ってほしいと伝えるたびに「行かない」「家がいい」と首を振る親の姿。頭では必要だと分かっていても、どう話せば伝わるのか、糸口すら見えなくなることがありますよね。
今回は、老老介護で毎日奮闘されている奥様や、遠方から週末ごとに顔を出す子世代の方に向けて、「デイサービスを嫌がる親を説得する5つの方法」をお伝えします。加須市で21年にわたって介護と住まいの両方に向き合ってきたホープシードの経験から、現場で実際に効果があったアプローチを整理しました。
📋 この記事でわかること
- なぜ高齢者はデイサービスを嫌がるのか、その心理的背景
- 「家で最後まで」という願いを守りながら、介護者自身が限界を超えないための方法
- 説得が難しいときに使える5つの具体的アプローチ
- レスパイト利用と住宅改修を組み合わせた在宅看取りの現実的な設計
こんな方におすすめ
- ✅ 夫(または妻)のデイサービス利用を検討しているが、本人が強く拒否している方
- ✅ 老老介護で体力・気力の限界を感じており、「このまま自宅で看取れるだろうか」と不安な奥様
- ✅ 遠方から帰省のたびに親の状態が心配になっている50〜60代の子世代
- ✅ ケアマネージャーに勧められたが、親本人がどうしても首を縦に振らない方
- ✅ 介護保険のサービスを「何から始めればいいか」分からず、一歩が踏み出せない方

「家で逝かせてあげたい」と「自分も限界」、その両方を抱えるあなたへ
「できることなら、この家で最後まで一緒にいてあげたい。」
長年連れ添った夫の手を握りながら、そう思う奥様は少なくありません。でも現実は、入浴の介助も、夜中のトイレ介助も、食事の支度も、すべて一人でこなし続ける毎日。「限界かもしれない」と思いながらも、「弱音を吐いたら夫に申し訳ない」と自分に言い聞かせてしまう。
厚生労働省の「国民生活基礎調査(2022年)」によると、在宅で介護を担う主な介護者のうち、約7割が同居の家族であり、そのうち配偶者が担うケースが最も多くなっています。さらに、介護者の年齢構成を見ると、60歳以上が全体の約7割を占め、いわゆる「老老介護」が現実的な問題として広がっています。
加須市の高齢化率は31.5%と全国平均(約29%)を上回り、7.3人に1人が75歳以上という状況です。持ち家比率が高く、「住み慣れた家を離れたくない」という意識が強い地域でもあります。だからこそ、「家にいたい」という本人の気持ちと、「このままでは続かない」という介護者の現実を、どう両立させるかが最大の課題になるのです。
まず知っておきたい「嫌がる」理由とその数字
デイサービスを嫌がる理由は、一人ひとり違います。でも、現場で多く聞かれるものにはいくつかの共通パターンがあります。
- 「知らない人の中に入るのが怖い」(孤独感・不安)
- 「自分は介護が必要な人間じゃない」(プライドや自尊心)
- 「家を離れると何かあるのでは」(妻への心配・分離不安)
- 「お風呂を他人に手伝わせるのは恥ずかしい」(羞恥心)
- 「一度行ったら施設に入れられるかもしれない」(誤解・恐れ)
内閣府の「高齢者の健康に関する調査(2020年)」では、要支援・要介護状態の高齢者の約6割が「自宅での生活継続」を望むと回答しています。つまり「家がいい」という気持ちは、わがままではなく、多くの高齢者に共通する切実な願いです。その気持ちを否定しないことが、説得の第一歩になります。
✓ ここまでのポイント
- 老老介護の介護者の多くが60歳以上であり、配偶者が一人で担うケースが最も多い
- 「家がいい」は高齢者の6割が持つ共通の願い。否定からではなく、共感から入ることが大切
- 嫌がる理由を「わがまま」と受け取らず、背景にある不安やプライドを見極めることが説得の起点になる
「嫌がっているうちは、どうせ無理」と思い始めていませんか。説得の方法が分からないまま時間だけが過ぎていく状況は、介護をする側の消耗を静かに深めていきます。リハスタジオプラスへの見学相談や、住宅改修との組み合わせについて、まず状況をお聞かせいただくことができます。
デイサービスを嫌がる親を説得する5つの方法
① 「施設に入れる第一歩」という誤解を丁寧に解く
「デイサービスに行く=施設入所への入り口」という誤解を持つ高齢者は多くいます。まず、「デイサービスは毎日通う必要がない、週に1〜2回から試せる。帰る家はここだよ」と具体的に伝えることが大切です。週に何回通えばいいか、利用回数の目安や効果との関係を事前に確認しておくと、説明がより具体的になります。
② 「体のため」より「楽しみ」を前面に出す
「体に良いから」「転倒予防になるから」という説明は、本人に「自分は弱っている」という印象を与えがちです。代わりに「麻雀できるらしいよ」「足湯があって温泉みたいって言ってた人がいるよ」など、楽しそうな要素を先に伝えると、好奇心が先に立ちます。
「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」
リハスタジオプラス ご利用者様
「頭を使う場所」「仲間と話せる場所」として伝えると、「行ってみようかな」と気持ちが動きやすくなります。
③ 「試しに一回だけ」という低いハードルで誘う
「ずっと通わなくていい。一回だけ見てみよう」という言い方は非常に有効です。見学だけでも構いません。初めてのデイサービス見学で確認すべき10のポイントを参考に、親御さんと一緒に施設を訪ねてみてください。実際に雰囲気を体感すると、「ここなら良いかもしれない」と感じるケースは少なくありません。
④ 「妻(夫)のため」という角度から伝える
「あなたが少し出てくれると、私も少し休めて、また元気でそばにいられる」という伝え方は、介護を受ける本人の気持ちを動かすことがあります。「お世話になっている」という申し訳なさより、「パートナーの笑顔を守りたい」という気持ちの方が、行動につながりやすいのです。老老介護の現場では、この一言が突破口になったケースを何度も見てきました。
⑤ ケアマネージャーや主治医に「第三者」として話してもらう
家族が言うと反発するのに、ケアマネージャーや主治医が勧めると素直に聞く、というのはよくあることです。「先生に勧めてもらった」「ケアマネさんが合いそうって言ってた」という言葉は、本人の気持ちを動かす力があります。担当のケアマネージャーにこの状況を率直に話し、一緒に説明の場を作ってもらうのも有効な方法です。
「デイサービスを嫌がっている方ほど、実際に来てみると『こんな場所だと思わなかった』とおっしゃいます。最初の一歩を一緒に考えるのが、私たちの役割だと思っています。」
伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)
「呼吸できる時間」を作ることが、在宅看取りを現実にする
デイサービスに通い始めることで、介護をする奥様の側に「呼吸できる時間」が生まれます。週3回、数時間でも一人の時間があるだけで、体と気持ちの回復速度はまったく変わります。
ホープシードが運営する「リハスタジオプラス」は、要支援1から要介護5まで対応する1日型デイサービスです。天然ミネラル岩塩入りの入浴サービス、手作りの昼食、ICカードで個人の状態に合わせた機能訓練機器など、「また来たい」と思える環境を整えています。
そしてもう一つ、在宅看取りを支える柱になるのが「住まいの安全」です。お風呂・トイレ・玄関の段差、廊下の手すり——これらが整っていないことで、転倒リスクが高まり、在宅生活そのものが難しくなることがあります。介護保険の住宅改修費(1人あたり最大20万円、自己負担1〜3割)を活用することで、大きな費用負担なく自宅を安全な場所に整えることが可能です。
ホープシードは介護事業と建設事業の両方を持つため、「どこをどう直せば、この方が自宅で過ごしやすくなるか」を、介護現場の目線から考えた改修提案ができます。デイサービスの通所と住宅改修をセットで考えることで、「家で最後まで」という願いが、現実的に手の届く場所に近づきます。
まとめ|「嫌がっているから無理」ではなく、一緒に方法を探しましょう
デイサービスを嫌がる親に、正面から「行ってください」と伝えるのは、なかなかうまくいきません。でも、嫌がる理由の裏には必ず「家でいたい」「大切にされたい」「迷惑をかけたくない」という気持ちが隠れています。
その気持ちに寄り添いながら、楽しみを先に伝える・低いハードルで誘う・ケアマネに力を借りる——この積み重ねが、少しずつ本人の気持ちを動かしていきます。
そして何より、介護をしている奥様やご家族が「もう少しだけ続けられる」と思えるための時間と環境を整えることが、在宅看取りという願いを守ることにつながります。加須市でデイサービスを初めて探す方のための費用・手続き・選び方もあわせてご覧ください。
ホープシードでは、施設見学やデイサービスの利用相談を随時お受けしています。「まだ決めていないけど話だけ聞きたい」というご連絡でも、どうぞ遠慮なくお電話ください。
📞 0480-53-7288(受付:月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)
「週3回のレスパイト利用と住宅改修の組み合わせ」という設計を、自分の家に当てはめたらどうなるか——それを一緒に考えるところから始められます。デイサービスの利用可否・住宅改修の対象工事・介護保険住宅改修費の使い方について、個別にご相談いただけます。