C3住宅改修・リノベーション

112. 車椅子でも暮らせる家づくり|リノベ工房匠の施工事例

「夫が退院してくるのに、家のトイレにも車椅子が入らない。どうすればいいんでしょう……」

そんな電話をいただくことが、少なくありません。退院日が決まって、初めて「この家では暮らせない」と気づく。焦りと不安が一度に押し寄せてくる、あの瞬間の重さは、経験した方にしかわからない感覚だと思います。

今回ご紹介するのは、加須市内にお住まいの80代ご夫婦のケースです。脳梗塞の後遺症で車椅子生活になったご主人を、70代の奥様が一人で介護されていました。「できれば、この家で最後まで一緒にいたい」という奥様の言葉から、すべてが始まりました。

📋 この記事でわかること

  1. 車椅子での在宅生活を支えるバリアフリー改修の具体的な内容と費用の目安
  2. 老老介護の奥様が「限界を超えない」ためのデイサービス活用の実例
  3. 介護保険の住宅改修費20万円枠を賢く使うポイント
  4. 介護×建設のワンストップで「在宅看取り」を現実的に設計する方法

こんな方におすすめ

  • ✅ 配偶者が車椅子・要介護状態で、自宅での介護に限界を感じている方
  • ✅ 「家で最後まで過ごさせてあげたい」という気持ちと「自分が先につぶれそう」という葛藤を同時に抱えている方
  • ✅ 退院後の自宅改修を急いでいるが、どこに頼めばいいかわからない方
  • ✅ 介護保険の住宅改修費の使い方を具体的に知りたい方
  • ✅ 加須市・久喜市・羽生市近辺で介護リフォームを検討している方
112. 車椅子でも暮らせる家づくり|リノベ工房匠の施工事例 | 株式会社ホープシード

「この家では無理」と言われた日から始まった改修

ご主人が脳梗塞で倒れたのは、昨年の冬のことでした。リハビリを経て車椅子での生活が決まり、退院日が告げられたとき、奥様が最初に感じたのは「喜び」ではなく「恐怖」だったとおっしゃっていました。

「病院のソーシャルワーカーの方に『今の家では難しい』と言われて。でも施設には入れたくない。この家で一緒にいたいんです」

築40年の戸建て。玄関には15cmを超える上がり框(かまち)があり、廊下の幅は68cm、トイレのドアは内開きで車椅子が入れる余裕はありません。浴室は昔ながらのタイル張りで、床との段差も10cm以上。一見すると「手の打ちようがない」と感じるほどの状況でした。

しかし、業界経験21年のホープシード代表・伊澤幸子は、自らデイサービスの現場も持つ立場から、こう考えます。

「『この家では無理』というのは、今の状態のままでは、という意味です。どこをどう変えれば暮らせるか、それを一緒に考えるのが私たちの仕事。介護の現場を知っているからこそ、車椅子の実際の動線で設計できると思っています」

伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)

車椅子が通れる家にするための「4つの改修ポイント」

今回の施工で実際に手を入れたのは、以下の4か所です。介護保険の住宅改修費20万円枠を軸に、超過分は自費で対応する形でプランを組みました。

改修の流れ STEP 1

玄関の段差解消とスロープ設置

上がり框の段差をスロープで解消し、車椅子が玄関からスムーズに出入りできるよう施工しました。外玄関のポーチ部分にも緩やかな勾配のスロープを新設。車椅子を自走できるご主人が、自分で外に出られる「自立の動線」を確保することが目的です。

⚠️ スロープの勾配が急すぎると、自走はおろか介助でも転倒リスクが高まります。車椅子利用者の体力・介助者の体格を踏まえた勾配設計が必須です。

改修の流れ STEP 2

トイレの拡幅と引き戸化

内開きドアを撤去し、引き戸に変更。あわせて壁を一部撤去してトイレ空間を広げ、車椅子でのアプローチと移乗が可能な広さを確保しました。手すりは便器の両サイドにL字型で設置。奥様一人での介助負担を減らすことも、このレイアウトの大きな狙いです。

⚠️ 引き戸への変更は「介護保険住宅改修費」の対象工事ですが、申請前に着工すると給付対象外になります。必ずケアマネジャーに事前申請を依頼してください。

なお、加須市の引き戸リフォーム事例と車椅子対応の詳細もあわせてご覧いただくと、具体的なビフォー・アフターのイメージがつかみやすいと思います。

改修の流れ STEP 3

浴室の手すり設置と段差解消

タイル張りの浴室床に滑り止め加工を施し、浴槽またぎの段差を補助台で緩和。浴室入口・洗い場・浴槽周りの3か所に手すりを設置しました。今回のケースでは、ご主人は週2回デイサービスで入浴サービスを利用するため、自宅浴室は「安全に立ち寄れる場所」として整える形に留めました。

⚠️ 浴室全体のフルリフォームは費用も工期もかかります。「まず使える安全を確保する」という段階的な発想が、退院後の限られた時間では有効です。

改修の流れ STEP 4

廊下・居室の段差解消と手すり連続設置

廊下と各居室の敷居段差を解消し、玄関から寝室・トイレまでの動線を車椅子で一直線につながるよう整えました。手すりも廊下全体に連続して設置し、ご主人が気分転換に自室から廊下を自走できる「小さな自由」を設けたのが、このご夫婦らしい点でした。

⚠️ 手すりの高さは利用者の身長・麻痺の程度によって異なります。「一般的な高さ」ではなく、実際に使う方の動きを見た上での設置位置が重要です。

✓ ここまでのポイント

  • 介護リフォームは「車椅子が通れるか」だけでなく、介助する側の負担軽減も同時に設計することが大切です
  • 介護保険の住宅改修費20万円枠は「事前申請」が必須。着工前にケアマネジャーへの相談が必要です
  • 引き戸化・段差解消・手すり設置は保険対象になりやすい工事です。費用の見通しを立てた上でプランを組みましょう

改修の4ステップを読んで、「うちの家でもできるのか」「費用がいくらになるか」が気になり始めた方も多いと思います。実際の間取りや介護度によって必要な工事は変わるため、現地で動線を確認した上でないと正確なプランは出せません。お問い合わせフォームからご自宅の状況をお伝えいただければ、介護現場を知るスタッフが一緒に考えます。

自宅の介護リフォームについて相談する

改修だけでは足りない――奥様の「限界」にも向き合う

バリアフリー工事が完成し、ご主人が無事に退院された後のことです。奥様からこんな言葉がありました。

「夫のそばにいてあげたいのは本当。でも、24時間一人で見ていると、私がどうにかなりそうで……」

この言葉こそが、老老介護の核心にある葛藤です。「家にいたい」という夫の気持ちと、「自分が先につぶれる」という妻の現実。どちらかを諦めるのではなく、両方を同時に守れる仕組みを考えることが、私たちが大切にしていることです。

ホープシードのグループには、1日型デイサービス「リハスタジオプラス」があります。要支援1〜要介護5まで対応し、入浴介助・手作り昼食・機能訓練を一日かけて提供します。このご主人には週3回の利用を提案しました。

奥様が週3日「一人の時間」を持てるようになったことで、介護のペースが変わったとおっしゃっていました。「プラスに行く日は、私も少し眠れるんです」という一言が、忘れられません。

「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」

リハスタジオプラス ご利用者様

プラスでは、機能訓練や入浴だけでなく、こうした「頭を使う楽しみ」が日常の中に用意されています。ご主人も最初は「施設には行きたくない」とおっしゃっていたそうですが、今ではスタッフや他の利用者との麻雀の時間を楽しみにされているとのこと。「自宅でのんびりする時間」と「外でにぎやかに過ごす時間」のメリハリが、在宅生活の質を保つ上でとても重要です。

「在宅看取り」を現実的にする設計とは

「看取り」という言葉は重く聞こえるかもしれません。でも奥様がおっしゃる「この家で最後まで一緒にいたい」という気持ちは、実はとても自然で、尊いものだと思っています。

その気持ちを現実にするためには、二つの条件が必要です。ひとつは「夫が安全に暮らせる家」。もうひとつは「妻が倒れない仕組み」。どちらが欠けても、在宅生活は続きません。

ホープシードが介護×建設のワンストップで提供できるのは、この両方を同時に設計できるという点です。館林市の介護リフォーム施工事例でも同様に、在宅生活の継続を支えるバリアフリー改修の実例をご覧いただけます。

「改修後に『この家で死ねる』と夫が言ったんです。私、それが一番うれしかった。怖い言葉に聞こえるかもしれないけど、夫にとっては希望の言葉だったと思うので」

伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)※ご利用者の奥様より届いた言葉として

加須市は人口約112,000人のうち、高齢化率が31.5%。3.3人に1人が65歳以上という地域で、私たちはこの問題をずっと地元で見てきました。だからこそ、「介護施設か在宅か」という二択ではなく、その間にある「もう一つの道」を一緒に作れると信じています。

まとめ:「限界です」の前に、一度ご相談を

車椅子での在宅生活は、決して「諦め」の選択ではありません。家を正しく整え、デイサービスをうまく組み合わせれば、「この家でずっと暮らす」という夢は現実になります。

ホープシードでは、介護の現場を知る建設スタッフが、実際に車椅子の動線を確認しながら改修プランをご提案します。デイサービス「リハスタジオプラス」との連携で、介護リフォームの相談から日々のケア体制づくりまで、一か所でご相談いただける体制を整えています。

「うちの場合はどうすればいいか」という段階からでも、ぜひお声がけください。まずはお電話でも構いません。

📞 0480-53-7288(受付時間:月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)

「限界になる前に動きたかった」と後から話される介護者の方が、加須市でも少なくありません。デイサービスとバリアフリー改修を組み合わせた在宅継続の設計は、一度ご連絡いただければ現状から一緒に整理できます。まずは現在の状況をそのままお伝えください。

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