トイレの手すりを付けようと思って業者に電話したら、「右麻痺ですか、左麻痺ですか?」と聞かれて、とっさに答えられなかった――そんな経験はありませんか?
「手すりって、壁に横棒を付けるだけじゃないの?」と思っていたら、実は麻痺の左右によって取り付け位置がまるで変わる。これを知らずに工事してしまうと、せっかく付けた手すりが「使いにくい」どころか「危険」になってしまうことがあります。
今日はリハスタジオ花咲の施設長として、毎日ご利用者様の動作を見守っている私が、休日に代表の伊澤から「現場目線で書いてよ」と頼まれてこの記事を書いています。実は最近の私の休日といえば、自宅近くを朝散歩しながらご利用者様の歩き方や体重のかけ方をぼんやり思い出している……なんて職業病みたいな話はさておき(笑)、介護の現場で毎日体の動きを観察しているからこそ気づくことを、できるだけ平易な言葉でお伝えしたいと思います。
📋 この記事でわかること
- 右麻痺・左麻痺でトイレの手すり位置が変わる理由
- 麻痺の種類ごとに「使いやすい手すり」の考え方
- 介護保険の住宅改修費(20万円枠)を使った手すり設置の流れ
- 加須市で介護リフォームを頼むときに確認すべきポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 脳梗塞後遺症で片麻痺のある親・配偶者のトイレ環境を整えたい方
- ✅ 手すり工事を考えているが、右麻痺・左麻痺で何が違うのか知りたい方
- ✅ 退院前に自宅のトイレを急いでバリアフリー化したい方
- ✅ 介護保険の住宅改修費の使い方がよくわからない方
- ✅ 加須市内で介護に詳しいリフォーム業者を探している方

「右麻痺」「左麻痺」とは何か――まずここから
脳梗塞や脳出血の後遺症で起こる片麻痺は、脳の損傷部位と反対側の体が動きにくくなる状態です。右脳が損傷すれば左半身が麻痺(左麻痺)、左脳が損傷すれば右半身が麻痺(右麻痺)となります。
ここで大事なのは、「麻痺側の手足は力が入りにくい・感覚が鈍い」という点です。つまり、トイレで立ち上がるとき・方向を変えるときに体重を預けられるのは麻痺のない側(健側)の腕と足だけ、ということになります。
手すりは「つかむ」ために付けるのではなく、「健側でしっかり体を支えるために使う道具」。だから、健側がどちらなのかによって、手すりの位置が180度変わってくるのです。
右麻痺の場合:手すりは「左側」に
右半身が麻痺している場合、頼りになるのは左手・左足です。
便座に腰かけた状態から立ち上がる場面を想像してみてください。左手でしっかり手すりをつかんで体を押し上げ、左足に体重を乗せながら立ち上がる――この動作を支えるには、便座に座ったときに左手が届く位置に手すりがあることが必須です。
つまり右麻痺の方の場合、トイレの入り口から見たときの「左側の壁」に縦手すりを設置することが基本になります。便座の高さに合わせた横手すりも、左側に設けるのが原則です。
ただし「トイレのどちらに壁があるか」「扉の向きはどうか」によって、最適な配置は一軒ごとに変わります。現地を見ずに「右麻痺だから左に付ける」と単純に決めてしまう業者には、少し注意が必要です。
左麻痺の場合:手すりは「右側」に
左半身が麻痺している場合は、その逆です。健側は右手・右足になるため、便座に座ったときに右手が届く位置に手すりを配置します。
脳の左側が損傷した左麻痺の方には、言語障がい(失語症)が伴うことも多く、「ここが使いにくい」とご自身で伝えるのが難しいケースがあります。そのため、ご家族やケアマネージャーと一緒に現場を確認しながら配置を決めることが特に大切です。
「介護リフォームは、現場を見ないで提案することだけは絶対にしない。利用者さんの体がどう動いているかを一緒に確かめてから初めて図面を引く。それがうちのやり方です」
伊澤 雄馬(株式会社ホープシード 代表取締役)
「縦手すり」「横手すり」「L字手すり」――形の違いも重要です
手すりの位置が決まったら、次は「形」の選択です。トイレで使われる手すりには主に3種類あります。
手すりの選び方 STEP 1
縦手すり:立ち上がり・座り動作のサポート
便座から立つ・座る動作では、斜め上方向に力がかかります。縦方向(または斜め)の手すりはこの動作に最も合っており、立ち上がりの補助として最初に検討すべきものです。床から約70〜80cmの位置を握れる高さに設置するのが目安です。
⚠️ 縦手すりだけでは便座上での体の安定(横ブレ防止)が弱くなることがあります。単体設置の場合は補助グッズとの組み合わせも検討してください。
手すりの選び方 STEP 2
横手すり:座位保持・体の安定
便座に座った状態で体が横に倒れないよう支えるのが横手すりの役割です。便座の高さよりやや上(約20〜25cm)の位置に設けるのが基本で、立ち上がり動作の仕上げにも使えます。
⚠️ 横手すりを便座より低い位置に設置してしまうと、立ち上がり時に引っかかって転倒リスクが高まります。高さの確認は必ず専門業者と一緒に行ってください。
手すりの選び方 STEP 3
L字(アーム)手すり:一本で立ち座りを一括サポート
縦と横を組み合わせたL字型の手すりは、立ち上がりから座位保持まで一本でカバーできる優れものです。スペースが限られたトイレや、複数の動作をスムーズにつなげたい場合に特に有効です。可動式のものを選べば、アームをはね上げて介助スペースを確保することもできます。
⚠️ 可動式のアームは定期的なネジの増し締めが必要です。設置後のメンテナンス方法をしっかり確認しておきましょう。
✓ ここまでのポイント
- 右麻痺は健側(左)に、左麻痺は健側(右)に手すりを設置するのが基本。ただし現場の構造によって最適解は異なる
- 縦・横・L字の手すりはそれぞれ役割が違い、ご本人の動作パターンに合わせて組み合わせを考えることが重要
- 手すりの高さ・位置のズレは転倒リスクに直結するため、必ず現地確認した上で設計を行うこと
介護保険の住宅改修費20万円枠――申請の流れと注意点
トイレの手すり設置は、要支援1以上の認定を受けていれば介護保険の「住宅改修費」として最大20万円(自己負担1〜3割)が給付対象になります。手すり設置はこの制度の代表的な対象工事のひとつです。
ただし、工事前に必ずケアマネージャーに相談し、「住宅改修が必要な理由書」を作成してもらう必要があります。「先に工事してしまったから後で申請」というのは原則認められません。
住宅改修費申請の流れ STEP 1
ケアマネージャーへの相談
まず担当のケアマネージャーに住宅改修を検討していることを伝えます。介護保険適用の可否確認、理由書の作成を依頼します。
⚠️ ケアマネが決まっていない場合や、担当ケアマネと連絡が取れない場合でも、まず弊社へご相談いただければ一緒に整理します。
住宅改修費申請の流れ STEP 2
業者への現地確認・見積もり依頼
ケアマネの理由書と合わせて、業者が現地調査・設計・見積もりを作成します。このとき、ご本人の麻痺の側・動作能力を確認した上で手すりの位置・形状を提案します。
⚠️ 現地を見ずに「標準プラン」を押し付けるだけの業者には注意が必要です。必ず実際の動作確認を含む現場調査を依頼しましょう。
住宅改修費申請の流れ STEP 3
市区町村への事前申請
見積書・理由書・工事図面等を加須市(介護保険担当窓口)に提出し、承認を得てから工事に着工します。
⚠️ 退院が2〜4週間後に迫っている場合、この申請のタイムラインが特にタイトになります。早めにご相談いただくことでスムーズに進められます。
「機能訓練で元気になりました!運動による大切さを知れた」
リハスタジオ花咲 ご利用者様
施設でのリハビリと、自宅のバリアフリー化はセットで考えることが大切です。デイサービスで歩く力を取り戻しても、自宅のトイレで転んでしまったら元も子もありません。私たちリハスタジオ花咲のスタッフは、毎日のリハビリを通じてご利用者様の「体のくせ」「動きのパターン」を把握しています。その情報を建設担当のスタッフに伝えることで、施設と自宅が連動したバリアフリー提案ができるのが、ホープシードならではの強みです。
「介護を知らない業者」に頼むとどうなるか
私が施設長として日々感じていることがあります。それは、「手すりを付けたけど使いにくくて結局つかんでいない」というご利用者様が、思いのほか多いということです。
🏠 一般的な工務店・ホームセンター施工の場合
- 「壁の下地がある位置」に手すりを付けるため、使いやすい位置とズレることがある
- 麻痺の左右・動作パターンを確認せずに「標準位置」で設置してしまうことがある
- 工事後のフォローが薄く、「合わない」と気づいても相談しにくい
⭐ ホープシード(介護現場を持つ工務店)の場合
- デイサービスでのリハビリ観察情報を活かして、ご本人の動作に合わせた位置・形状を提案
- ケアマネージャーとの連携・介護保険申請の代行サポートまで一括対応
- 退院前の急ぎ工事にも、介護保険申請から施工まで最短ルートで対応
チェックポイント①:現地調査でご本人の動作確認をしてくれるか
カタログや標準プランだけで提案してくる業者は要注意。必ず「本人の麻痺の側と立ち上がり動作を確認した上で位置を決める」と言ってくれる業者を選んでください。
✅ ホープシード:介護事業所スタッフとの情報共有を通じて、ご本人の動作特性を踏まえた現地調査を行います。
チェックポイント②:介護保険の申請手続きをサポートしてくれるか
住宅改修費の申請は、ケアマネ意見書・見積書・図面など書類が複数必要です。「書類は自分で用意して」という業者では、子世代が仕事をしながら対応するのは大変です。
✅ ホープシード:ケアマネージャーとの連絡調整・書類準備のサポートまで、まとめてお任せいただけます。
チェックポイント③:退院前の急ぎ工事に対応できるか
退院日が2〜3週間後に決まってから相談が来るケースは決して珍しくありません。そのスピードに対応できるかどうかは業者によって大きく差があります。
✅ ホープシード:介護・建設の両現場を持つ体制で、退院日から逆算したスケジュール管理を行います。
「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」
リハスタジオプラス ご利用者様
まとめ:手すりは「付けること」より「正しい位置に付けること」が命
右麻痺と左麻痺でトイレの手すり位置が変わる理由、お分かりいただけましたでしょうか。「健側の手が届く位置に付ける」というシンプルな原則ですが、実際の現場ではトイレの広さ・壁の位置・扉の向き・ご本人の動作パターンによって最適解が変わります。
私が花咲施設長として毎日感じているのは、「デイサービスと自宅の環境がつながって初めて、在宅生活が続けられる」ということです。施設でどれだけリハビリを頑張っても、帰宅した瞬間に転倒リスクにさらされていては意味がない。だからこそ、介護を知っている建設業者に相談してほしいのです。
加須市で介護保険を使ったトイレの手すり設置・バリアフリーリフォームをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。ケアマネージャーとの連絡調整から申請書類のサポート、退院前の急ぎ工事まで、ワンストップでお力になります。
お電話でのご相談は0480-53-7143(受付時間:月〜土 8:30〜18:00 / 祝日 9:00〜18:00)、またはWebからはお問合せフォームよりお気軽にどうぞ。「何から聞けばいいかわからない」という段階からでも大丈夫です。一緒に考えましょう。


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