
「お風呂だけは自宅で入りたい」― その気持ちを守るために
「親がお風呂で滑って怖かった」「段差に足を引っかけてヒヤッとした」「一人で浴槽をまたぐのがもう限界で…」
加須市内でデイサービスの現場に立っていると、こういったお声をご家族様やご利用者様からよく聞きます。浴室は家の中でもっとも転倒リスクが高い場所。でも同時に、「お風呂だけは自宅で入りたい」と強くおっしゃる方が本当に多い場所でもあります。
こんにちは。株式会社ホープシードのデイサービス「リハスタジオプラス」で施設長を務めております、渡邊 隆浩(わたなべ たかひろ)と申します。普段は利用者の皆さんと一緒に体を動かしたり、他愛もないおしゃべりをしながら日々を過ごしているのですが、今日は私が介護の現場で感じてきた「浴室の危険」と、それを防ぐための改修について、少し踏み込んでお話しさせてください。
📋 この記事でわかること
- 浴室で転倒事故が起きやすい「3つの危険ポイント」とその理由
- 入浴事故を防ぐために最低限やっておくべき改修3点セットの内容と費用感
- 介護保険の住宅改修費(20万円枠)を使った賢い申請の流れ
- デイサービスと自宅改修を組み合わせた「二段構え」の安心設計
こんな方におすすめ
- ✅ 加須市内の親御さんの自宅浴室が心配なご家族様
- ✅ 介護保険の住宅改修費(20万円枠)の使い方を知りたい方
- ✅ 退院後に自宅での入浴を再開させたいと考えている方
- ✅ 老老介護で配偶者の入浴介助に限界を感じている方
- ✅ 「施設に入らずに自宅で暮らし続けたい」という親御さんを応援したいご家族様
介護現場から見えた「浴室の三大リスク」
私がリハスタジオプラスで日々の業務をしていると、利用者の皆さんからよくこんな言葉を耳にします。「家のお風呂、もう怖くてね」「段差に足が引っかかって転びそうになった」「冬は特にヒヤヒヤする」。
実際に厚生労働省のデータでも、家庭内での不慮の事故による死亡者の多くは浴室と関連しており、75歳以上になるとそのリスクは一段と高まります。では具体的にどこが危ないのか。介護の現場にいる立場から整理すると、大きく3つに絞られます。
①浴槽をまたぐ動作(段差)
一般的な浴槽の縁の高さは約50〜60cm。健康な若い頃は何でもない高さでも、下肢筋力が落ちた高齢者にとっては「山登り」に近い動作になります。またぐ瞬間に体のバランスが崩れ、そのまま浴槽の中に倒れ込む事故が後を絶ちません。
②浴室の床・浴槽内の「滑り」
タイル床や法廊下(脱衣室との間の段差部分)は、石鹸や水で一気に滑りやすくなります。特に入浴後、濡れた足で立ち上がる瞬間が最も危険です。私のデイサービスでも、入浴時には必ず職員が側につくよう徹底しています。それほどリスクが高い。
③立ち上がる・座る動作を支えるものがない
浴槽の中でお湯に浸かった後、立ち上がるときに「つかまる場所がない」という状況。腕で体を支えながら立とうとして、力が入らずそのまま転倒……。このパターンが一番多い印象です。
この3つのリスクを知っているだけで、改修の優先順位がはっきりしてきます。
✓ ここまでのポイント
- 浴室の転倒リスクは「段差」「滑り」「支えのなさ」の3つに集約される
- 75歳以上になると筋力低下でこれらのリスクが急上昇する
- 介護の現場目線で危険箇所を理解しておくことが、改修の第一歩
入浴事故を防ぐ最低限の改修3点セット
では実際に何をすればいいのか。株式会社ホープシードの建設チームとも話し合いながら、「これだけは最低限やっておいてほしい」という改修を3つに絞りました。
改修 STEP 1
浴槽出入り口と浴室入口の手すり設置
手すりは「あるだけで安心感がまるで違う」とご利用者様からよく言われます。設置場所のポイントは2か所。①脱衣室から浴室に入る扉付近(立ち上がり・段差越え用)、②浴槽の縁に並行してL字型または縦型の手すり(浴槽への出入り・立ち上がり補助用)です。身体の動き方を理解した上で「どこにどの向きで」設置するかが重要で、ただ壁にねじ止めすればいいわけではありません。
⚠️ 設置角度や高さが体格・介護度に合っていないと、かえって使いにくく危険になることがあります。介護の動線を熟知した業者に依頼することが大切です。
改修 STEP 2
脱衣室〜浴室間の段差解消
一般的な浴室には脱衣室との間に5〜10cm程度の段差があります。この「わずかな段差」が、濡れた足元では大きな転倒リスクになります。すのこの設置でも対応できるケースがありますが、浴室の構造によっては床の嵩上げ工事が必要な場合も。退院直後や急いでいるときは応急処置でも構いませんが、可能であれば構造的な段差解消を目指してください。
⚠️ すのこは手軽ですが、動いてずれると転倒の原因になります。固定式のものを選ぶか、段差解消の本工事を検討してください。
改修 STEP 3
浴室床・浴槽内の滑り止め施工
床材を滑りにくいものに交換する、もしくは滑り止めシートやコーティングを施す方法があります。既存のタイル床に特殊な滑り止めコーティングを施工するだけで、体感のグリップ力は大きく変わります。浴槽の中にも滑り止めマットを置くことで、座る・立つ動作が格段に安定します。
⚠️ 滑り止めマットは清潔を保てないと雑菌の温床になります。取り外して洗えるタイプを選び、定期的に交換することが重要です。
この3点を組み合わせることで、浴室の主要なリスクをほぼカバーできます。大規模な工事ではなく、費用も介護保険の枠内に収まることが多い点も、ご家族様には安心していただけるポイントです。
「岩塩入りのお風呂で温泉に入っているような感覚に。この施設でのお風呂が一番の楽しみ」
リハスタジオプラス ご利用者様
デイサービスでお風呂が好きになってくださった方が、自宅のお風呂も安心して楽しめる。それが私たちが目指している姿です。
介護保険の「住宅改修費20万円枠」、どう使う?
「リフォームって高いんじゃないか」と思われる方も多いのですが、要支援1以上の介護認定を受けている方であれば、住宅改修費として上限20万円(自己負担1〜3割)の補助が介護保険から支給されます。
対象工事には、手すりの設置・段差の解消・床材の変更(滑り止め)・引き戸への扉変更などが含まれており、今回ご紹介した3点セットはまさに制度の対象内です。
ただし、申請の手順を知らずに工事を先に進めてしまうと、補助が受けられなくなるケースがあります。流れを整理すると次のとおりです。
申請の流れ STEP 1
ケアマネージャーへの相談・意見書の依頼
住宅改修費の申請にはケアマネージャーによる理由書(意見書)が必要です。まずケアマネさんに「浴室のリフォームを検討している」と伝えることが出発点になります。
⚠️ ケアマネさんがいない場合は、加須市の地域包括支援センターにご相談ください。
申請の流れ STEP 2
施工業者による見積もり・事前申請
工事前に市区町村への事前申請が必要です。見積書・工事図面・ケアマネの理由書をセットで提出します。ここで「介護現場を知る業者かどうか」が大きく影響します。書類作成に慣れていない業者だと、申請に時間がかかってしまいます。
⚠️ 事前申請なしに工事を着工してしまうと、補助の対象外になります。必ず着工前に申請を完了させてください。
申請の流れ STEP 3
工事完了後、事後申請・支給
工事が完了したら、完了写真と領収書をまとめて事後申請します。審査を経て自己負担分を除いた費用が支給されます。
⚠️ 書類に不備があると審査が長引くことがあります。経験のある業者と一緒に確認しながら進めることをおすすめします。
「介護保険の申請って難しそうに見えますが、慣れた業者が一緒に動けばそんなに怖くないんです。ケアマネさんと私たちが連携して、ご家族様の負担を最小限にするのが私たちのやり方です」
伊澤 雄馬(株式会社ホープシード 代表取締役)
デイサービスと自宅改修の「二段構え」が本当の安心をつくる
実は、自宅の浴室を改修するだけでは十分ではないケースがあります。身体機能が低下している方や、老老介護で配偶者が介助しきれない場合には、デイサービスでの入浴介助と自宅改修を組み合わせる「二段構え」が効果的です。
私が施設長を務めるリハスタジオプラスでは、天然ミネラル岩塩入りの入浴を1日型デイサービスの中で提供しています。「まるで温泉みたいで気持ちいい」と言ってくださる利用者様がとても多く、お風呂嫌いだった方がデイのお風呂を楽しみにしてくださるようになることもあります。
週に2〜3回、デイサービスで安全に入浴していただきながら、自宅の浴室も並行してバリアフリー化していく。そうすることで、「家でも安心して入れる日」を少しずつ増やしていける。これがホープシードが提案する、介護と建設を組み合わせた在宅生活継続の形です。
私自身、毎朝利用者の皆さんと顔を合わせるたびに「今日も元気に来てくれた」と胸がほっとします。そしてその方たちが、デイのない日も自宅で安心して過ごせているかどうか……それが私にとって、一番気になることでもあります。
「公園の季節の花を見に行く事ができ、日課だった散歩ができるのは嬉しい」
リハスタジオプラス ご利用者様
外に出る喜びも、自宅で入浴できる喜びも、どちらも大切な「日常の幸せ」です。その一つひとつを守るために、私たちは介護と住まいの両方から支えていきたいと思っています。
まとめ:加須市で浴室バリアフリー化を検討するなら、まずご相談を
今回ご紹介した「浴室バリアフリー改修の3点セット」をまとめます。
- ① 手すりの設置(浴室入口・浴槽縁のL字または縦型手すり)
- ② 段差の解消(脱衣室〜浴室間の段差をなくす)
- ③ 床・浴槽の滑り止め施工(タイル床へのコーティングまたは床材変更)
そして、この3点はいずれも介護保険の住宅改修費(上限20万円)の対象工事です。要支援・要介護認定を受けている方であれば、自己負担を抑えながら工事が進められます。
株式会社ホープシードは、加須市内でデイサービス2拠点を運営しながら、介護現場の動線を知る工務店として建設・リフォームも手がけています。「介護のことも、住まいのことも、一つの窓口で相談できる」という体制が、私たちの一番の強みです。
「親のお風呂が心配」「退院後の自宅改修が間に合うか不安」「介護保険の申請がよくわからない」―― そんなお悩みを抱えているご家族様、ぜひお気軽にお声がけください。一緒に考えましょう。
お電話でのご相談は、0480-53-7143(受付:月〜土 8:30〜18:00)まで。
メールやWebからのご相談は お問合せ フォームからどうぞ。
加須市を中心に、久喜市・羽生市・行田市など近隣エリアへの対応も承っております。現地調査・無料相談からお気軽にどうぞ。


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