C1介護の基礎知識

55. 高齢者のQOL(生活の質)を高めるデイサービスの役割

先日、加須市内にお住まいの70代の奥様からご相談をいただきました。「夫が脳梗塞の後遺症で足が不自由になってしまって。お風呂に入れてあげたいけど、私一人ではどうにもできなくて……」と、声を詰まらせながら話してくださいました。

ご主人は84歳。歩行困難の状態で、浴室の段差を越えるたびに転倒リスクがあります。奥様ご自身もすでに70歳を超えており、毎日の入浴介助は体力的にも精神的にも限界に近い状況でした。「週に1回入れるかどうか」というその言葉が、ずっと頭に残っています。

今回は、このご家庭に私たちがどのようにお応えしたか——デイサービス「リハスタジオプラス」の活用と、自宅浴室のバリアフリー改修という「二段構え」の取り組みを、実際の流れに沿ってご紹介します。

📋 この記事でわかること

  1. 老老介護家庭における入浴介助の限界と、QOL低下がどう連鎖するか
  2. 1日型デイサービス「リハスタジオプラス」が入浴面でどう役立つか
  3. 自宅浴室のバリアフリー改修の具体的な内容と介護保険の使い方
  4. デイサービス+自宅改修の「二段構え」で生まれる安心のかたち

こんな方におすすめ

  • ✅ 配偶者一人での入浴介助が限界になっている方
  • ✅ 高齢の親の入浴頻度が減っていて心配な子世代の方
  • ✅ 自宅浴室の段差や滑りやすさが気になっている方
  • ✅ 介護保険の住宅改修費20万円枠の使い方を知りたい方
  • ✅ デイサービスと自宅改修を同時に進めたい方
55. 高齢者のQOL(生活の質)を高めるデイサービスの役割 | 株式会社ホープシード

「週1回のお風呂」が続く生活——入浴不足がQOLに与える影響

お風呂に週1回しか入れない。この状況を聞いて、「仕方ない」と思う方も多いかもしれません。でも、入浴の頻度が下がることは、単に「清潔の問題」ではありません。

体を温めることで血行が促進され、筋肉のこわばりがほぐれます。湯船に浸かるという行為そのものが、気持ちのリセットになり、睡眠の質にも影響します。高齢者にとって入浴は、身体機能の維持と心のゆとりの両方に関わる、大切な時間なのです。

脳梗塞後遺症がある方の場合、身体の硬直や麻痺による関節の拘縮が進みやすく、入浴でのストレッチ効果が特に重要です。逆に言えば、入浴頻度が下がると、機能低下のスピードが上がるリスクがあります。高齢者の「フレイル」予防という視点でも、日常的な入浴習慣の維持は欠かせない要素の一つです。

また、奥様への負担という観点も見逃せません。毎回「転ばせてしまうかもしれない」という緊張感を抱えながら介助を続けることは、介護する側の心身を確実に削っていきます。老老介護の家庭では、介護する側が先に倒れてしまうというケースも少なくありません。

Before:相談いただいた時点の状況

今回の事例を整理します。

  • ご主人(84歳):脳梗塞後遺症による左側の歩行困難。要介護2の認定。自宅では伝い歩きが中心で、段差の乗り越えが特に困難。
  • 奥様(72歳):介護経験なし。週に1〜2回、二人がかりでどうにかシャワーを浴びさせていたが、それも限界に近い。
  • 自宅浴室の状況:築32年の戸建て住宅。浴室の入口に10cmほどの段差があり、浴槽の縁も高く、またいで入ること自体が困難。床のタイルは昔ながらの目地の多い仕様で、濡れると滑りやすい。手すりは未設置。

「介護のことも、家のことも、どこに相談すればいいのかわからなくて。病院のソーシャルワーカーさんに教えてもらってここに来ました」

奥様(70代・加須市在住)

この言葉がすべてを表していました。介護と住まいの相談窓口がバラバラで、どこから動いていいかわからない——それが多くのご家族が最初に直面する「詰まり」なのだと、改めて痛感しました。

提案:「施設での入浴」と「自宅での入浴」の二段構え

私たちがご提案したのは、二つの取り組みを同時並行で進めることでした。

① リハスタジオプラスへの週3回通所(入浴サービスの確保)

まず、1日型デイサービス「リハスタジオプラス」に週3回通っていただくことをご提案しました。プラスでは、要支援1〜要介護5まで幅広い方に対応しており、入浴介助も専門スタッフが担当します。

特に喜んでいただいたのが、天然ミネラル岩塩入りの浴槽です。ご主人は「温泉みたいだ」と笑顔を見せてくれるようになりました。実際、利用者様からも

「岩塩入りのお風呂で温泉に入っているような感覚に。この施設でのお風呂が一番の楽しみ」

リハスタジオプラス ご利用者様

という声をいただいています。入浴が「義務」ではなく「楽しみ」になる——これがQOLの向上に直結します。

また、デイサービスに通うことで、ご主人の一日に「リズム」が生まれました。

「クロスワードや麻雀など頭を使ったゲームが盛り沢山。一人暮らしの私にとっては憩いの場」

リハスタジオプラス ご利用者様

この声はまた別の利用者様のものですが、プラスには入浴以外にも、頭を使うゲームや交流の場が用意されており、通うこと自体が生活の張り合いになっています。デイサービスが生み出すコミュニティの価値と孤独感の解消という観点でも、週3回の通所は大きな意味を持ちます。

✓ ここまでのポイント

  • 入浴頻度の低下は清潔の問題だけでなく、身体機能・睡眠・気分に連鎖して影響する
  • 1日型デイサービス「リハスタジオプラス」の週3回通所で、専門スタッフによる安全な入浴介助を定期的に確保できる
  • 天然ミネラル岩塩入りの浴槽や交流プログラムが「通うことの楽しみ」を作り、QOL向上につながる

デイサービスでの入浴確保と自宅のバリアフリー改修、どちらから手をつければいいか迷っている方は多いと思います。この二つを同時並行で進めるには、介護保険の申請順序や改修のタイミングを正しく把握する必要があります。お問い合わせフォームから状況をお伝えいただければ、今の状態に合った順序でご案内します。

入浴介助とバリアフリー改修の進め方を相談する

② 自宅浴室のバリアフリー改修(介護保険住宅改修費の活用)

週3回はデイサービスで安全に入浴できるようになりましたが、残りの日はどうするか。奥様が「できれば家でも入れてあげたい」とおっしゃっていたこともあり、自宅浴室の改修を同時並行で進めました。

浴室改修 STEP 1

現地調査とプラン作成

私どもの建設スタッフが実際に自宅を訪問し、浴室の寸法・段差・浴槽の高さ・動線を確認しました。介護現場(デイサービス)を持つ工務店だからこそ、「利用者様の身体がどう動くか」を踏まえた目線でチェックします。ご主人の歩行パターンや体の傾き方も、担当スタッフから情報を共有してもらいながらプランに反映しました。

⚠️ 図面だけで判断すると、実際の動線と合わない手すり位置になるケースがあります。必ず現地で「使う人の動き」を確認することが重要です。

浴室改修 STEP 2

介護保険住宅改修費の申請準備

担当ケアマネージャーと連携し、介護保険住宅改修費(上限20万円、自己負担1〜2割)の申請書類を準備しました。今回の改修内容は、①浴室入口の段差解消、②浴室内・浴槽横への手すり設置、③浴槽をまたぎやすい高さへの調整補助(浴槽台の設置)の3点。いずれも介護保険の対象工事です。

⚠️ 工事着工前に申請・承認が必要です。工事を先に始めてしまうと保険が使えなくなるため、必ず順序を守ってください。

浴室改修 STEP 3

施工・完工確認

すべて自社施工で対応しました。工期は約2日間。施工中はデイサービスの送迎スケジュールと調整し、工事の音や作業員の出入りがご主人の通所日と重ならないよう配慮しました。完工後はスタッフも同席のうえ、奥様に実際に手すりを使って動いてもらい、使い勝手を確認しました。

⚠️ 設置後に「位置が使いにくい」と感じた場合の対応も事前に確認しておきましょう。当社では施工後のフォローアップ相談にも対応しています。

「介護リフォームは、身体の状態に合わせた"使い方"を知っていないと、せっかく手すりを付けても使われないまま終わることがあります。私たちはデイサービスを運営しているからこそ、利用者様の実際の動作を見た上で、一人ひとりに合った位置と高さをご提案できます。」

伊澤 幸子(株式会社ホープシード 代表取締役)

After:二段構えが生んだ変化

デイサービスへの通所を始めて2ヶ月、自宅浴室の改修が完了して1ヶ月後の状況です。

  • 入浴頻度:週1回以下 → 週4〜5回(デイ3回+自宅2回)に増加
  • 転倒リスク:浴室入口の段差解消と手すり設置により、奥様補助のもとで安全に入浴できるよう改善
  • 奥様の負担感:「一人で抱えなくていいとわかって、気持ちが楽になりました」とのご感想
  • ご主人の表情:デイサービスでスタッフや他の利用者様と過ごす時間ができ、「今日は何をするの?」と通所日を楽しみにするように

高齢者の入浴事故(ヒートショックや転倒)のリスクという視点でも、浴室の環境を整えることと、安全な見守りのある場所で入浴できる日を確保することの組み合わせは、家族の安心感を大きく変えます。

まとめ:「家にいたい」を支えるために、できることはある

「施設に入れるほどではないけれど、自宅だけでは限界」——このグレーゾーンに置かれているご家族が、加須市内にも多くいらっしゃいます。

「いつまでも自宅で暮らし続けたい」というご本人の気持ちと、「安全に過ごしてほしい」というご家族の願いは、矛盾しません。デイサービスと住まいの改修を組み合わせることで、その両方を叶える道は必ずあります。

私たちホープシードは、介護と建設という二つの現場を一つの会社の中に持っているからこそ、「今日の身体の状態に合った家」を一緒に考えることができます。相談窓口がバラバラで動けない、そんな状況にある方こそ、まずは一本ご連絡ください。

お電話でのご相談は 0480-53-7288(受付:月〜土 8:30〜18:00)まで、どうぞお気軽にどうぞ。

「週1回しかお風呂に入れていない」という状況を変えたいと思いながら、どこに連絡すればいいかわからずにいるご家族へ。デイサービスの利用開始から自宅浴室の改修申請まで、窓口を一本化してご対応します。まずは現状をお聞かせください。

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